明日からオンエア!(『絶対可憐チルドレン』が、です(笑))2008/04/05

ちゃんと買った証拠写真(笑)
 ネタバレがありますのでご注意ください。
 たいしたことは書いてませんが、まっさらな気持ちでアニメを見たい方は放送終了後に読むことをおすすめします。
 
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 漫画版『チルドレン』は諸般の事情から短期決戦が予想されてましたので(笑)、執筆に当たって「メッセージ最優先」で作ってました。「とにかくもう言いたいこと先に言ってバックれよう」みたいな。
 
 でまあ、当然の流れとしてアニメは設定もドラマも脚色していただいてます。ただし、作品の主張やテーマに大きな変更はありません。キャラ解釈も徹底的に原作に忠実です。
 もちろん<アニメ版>は最終的にはワタシの作品ではないので、アニメスタッフの個性や作家性の色がついて当然です。大人の事情もあります。だから大幅な脚色はかまわないと思ってますが、作品の「魂」が別のモノになるなら『チルドレン』である必要はないわけで。まーどこからどこまでが「魂」なのかは難しいところですけど、シナリオ段階でかなり執念深くチェックを入れてますので、少なくともワタシがTVの前で「そこ違うのに~! こんなの別の作品だ~!!」とのたうちまわることはほとんどない・・・はずです。<ネタは同じでも全然別のエピソード>になることはあっても、<別の作品>ではない、みたいな。
 
 とりあえず今思いつく原作読者が気になりそうな変更としては、
 
●<バベルが役所というより地球防衛軍>
 「内務省特務機関」はTVで放送するにはかなりキナくさい設定なので変更してもらいました。外観もビジュアルのおもしろさを優先してくださいとお願いしたところ・・・・かなり楽しんでデザインしてくれたようです。原作者は大ウケでしたので、皆さんにも気に入っていただけるんじゃないかと。
 乗り物や銃器などのメカデザインもオリジナルのものになってます。どれも素晴らしくて、SFっぽさとリアリティーの同居が実現してます。さらに本編ではCG班がまたイイ仕事をしてくださってます。
ついでにダブル・フェイスの制服などもアニメっぽく変更。これはウチのスタジオで起こしたデザインがベースになってます。
 
●<リミッターが自分では外せないらしい>
 ま、つけてても結構やりたい放題なのは原作と同じだし、そうハッキリとニュアンスが変わった訳ではないですけどね。あと、デザインがちょっと違います。ちなみに原作第一話でネタにしたような玩具メーカーさんのスポンサードは・・・・・今のところありません(笑)。
 
●<桃太郎が最初から兵部といる>
 じゃあ桃太郎のエピソードどうするんだというと・・・どうするんだろうね(笑)。まあ、絵的には最初からいた方がおもしろいし、釘宮さんの出番が増えるのはみんな嬉しいよね?
 
 それと、第一話のシナリオについて。ごく最近、漫画でもよく似た話をやりました。ただし、アニメに少し遅れてほぼ同時進行で作業してた上、向こうがやれないことをやっちまおう、みたいな方向で掘りさげて描いてましたんで、まったく違う物語です。以前から暖めていたネタなので、せめて登場キャラのデザインイメージと基本的なコンセプトだけはすりあわせようということでこのタイミングで描いたのです。このエピソードに関しては<原作>というよりは<アニメとのコラボ>とお考えいただければ。詳細は放送後に解説します。
 
 そんなわけで、明日のオンエアをお楽しみに!

始まりましたね!2008/04/06

 ・・・というわけで、第一話、いかがでしたでしょうか。

 ワタシ的には漫画家冥利な30分でした。画面からは川口監督をはじめとするスタッフのあふれんばかりの熱意と愛情がギュンギュン伝わってきましたし、キャラは声も魂も完全に<ウチの子>だと思いました。さっきまでワタシの原稿用紙にいたあの子たちが、TV画面で華やかに活躍してます。しかも、原作より美人にお化粧してもらって、元気いっぱい動き回ってるわけですからね。親バカってだけじゃなく、客観的にもクォリティーかなり高かったでしょ?

●シナリオはシリーズ構成の西園さんが「<皆本とチルドレンの出会い>から始める」「時系列の巻き戻しはやらない」「一話でまとめる」「最初の敵は絶対にマッスル」と強硬に主張したため、原作者としては悩んだところです。
 まーその意図はわかるし、間違ってない。一方、打ち合わせ当時はまだ執筆していませんでしたが、漫画の<出会い編>はかなり以前から暖めていた、作品のキーになるエピソードです。あんな重い話はワタシも日曜の朝っぱらからアニメの第一話として見たくないし(笑)、分量もキツいからオリジナルストーリーにするのにはあっさり賛成したものの、「出会い」をどうしてもやるというなら<前任者×チルドレン×皆本>の心理的位置関係だけは外して欲しくありませんでした。
  
 で、すったもんだのあげく最終的にああいう落としどころに。まー原作読者には<ネタは同じでも全然別のエピソード、ただし作品の「魂」は同じ>というのがよく見えて、ニヤリとしてもらえたんじゃないでしょうか。
 須磨さんはあれならあとでまた出てくるかもしれませんね。深見梨加さんの声がめっちゃ素敵でしたし、再登場を期待してます。
 
●一話の作画監督は相坂ナオキさん(『獣神演武』キャラデ・総作監)と沼田誠也さん(『しおんの王』キャラデ、『ひぐらしのなく頃』総作監)のお二方。二話は『ディー・グレイマン』の作監・岩佐裕子さん、三話はシナジーの看板アニメーター・長森佳容さん、四話は『もえたん』の西尾公伯さんという豪華メンバー。
 監督から「作画チームはコスモを爆発させてます」とうかがってたのですが、たとえ話じゃなくマジだったのでビビりました。原画・動画・背景・CGも含め、作画チームの熱いコスモ、たしかに感じました。さりげなく監督自ら原画もやってますね(^^)。
 
 総作監の加々美さんは「かなりキツい状況ですが、大丈夫ですか?」と訊いたら「いつも通り一話ずつ送り出すだけです」・・・・・本物の<漢>です(T_T)。ちなみに昨日メールで「『ですノート』をもしやることになったらメイン作監やりたい」と言ってきてくれましたが(笑)・・・・い、いろんな意味で実現したらヤベええええ。
 
 そうそう、吉松さんもワタシに内緒でこっそりOPに参加してくれてましたよ! 20年来の夢がかなったよ、ありがとう、吉松さん! 次は演出・作監とか、どやっ。
 
 
●来週の第二話では、声の出演にスペシャルゲストがいらっしゃいます。監督と音響制作さん、それにご本人さまから『GS美神』ファンへのサービスです(*^_^*)。
 
 ・・・・あれ、おかしいな。センセイ嬉しくてたまらないはずなのに涙でてきたよ。オトナなのにおかしいね。もう行かなくちゃ。あ、そうだ、安物だけどお袋の形見の指輪、預かってくれるかい? 宇宙で無くしたら大変だ。じゃあ!

京介くん、逃げてええええ!:週刊少年サンデー08/20号2008/04/08

 ちょっとありえない仕事量です。アニメ化さまさまです。この一年はもう遊ぶのは諦めてますが、今月はシャレになってません。「椎名は畑先生の四分の一しか働けません」をモットーに、のらりくらりやるつもりだったのですが、アニメスタッフがあんだけがんばってるからなあ。そっちを援護するためにもここは踏ん張ろうと思います。しばらくの間、非常事態宣言。
 
 緊急の仕事の一つはノベライズ版『チルドレン』のためのイラストです。小説を執筆していただいたのは三雲岳斗先生。オファーがあったとき、速攻で「この人は逃がしちゃダメです!すぐに押さえて!! 三雲さんの気が変わらないうちに!!」と返事。
 『コールド・ゲヘナ』『M.G.H.』『アース・リバース』『旧宮殿にて』など、緻密で骨太の文体と構成、独自の世界で熱烈な読者のいる作家さんです。すでにご存じの方は今びっくりしてると思いますけど、未読の人は一冊でいいから読んで。個人的には最後のがものすごく好き・・・っていうか、ファン。
 『チルドレン』の出来がまた、ワタシのドツボつきまくりでした。小説としての完成度があんまり高いので、正直言って挿絵は邪魔になると思うのですが・・・・これはもう全力で描くしかないだろうと。
 でもさっき気づいたんだけど、全力で描き込んだ挿絵ってかえって小説のイメージを壊すよね(^^;)。もう後戻りしてる時間がないよ、どうしよう。

ようこそ、君が三番目だ :週刊少年サンデー08/21号2008/04/12

 「バレット」は<銃弾>、「ティム・トイ」は<ティン・トイ(ブリキのオモチャ)>。この子は「パティー・クルー」と言います。黒い幽霊の能力は名前がヒント。
 
 源氏物語は名前をイチから考えるのがめんどくさいので引用元にしたのですが・・・その時は外国人エスパーが出てくるとは思ってなかった。
 読み切りの時点で主要人物が6人もいたし、なんか共通のイメージがあった方がいいかと思ってやってみたら、これがなかなか語感が良かったのね。キャラと元ネタの関連性がまったくないのがアレだけど、何人かはちょっとだけひっかけてます。光源氏、桐壺帝、末摘花・・・他にもあったかな?

アニメ第二話2008/04/13

 女性は中村悠一さんの「戻ってこい」でご飯三杯いけると思いますがどうか。前回の「がんばったね、痛かったろう」に続いて、彼の声と演技はものすごい破壊力です。味方でよかった(笑)。

 薫の母親の声は、『GS美神』で美神令子を演じていただいた鶴ひろみさんです(*^_^*)。
 ありがとうございました!!

 椎名ヒロインの先輩・美神令子が薫の母親というのは楽しい配役ですね。しかも鶴さんは数々の有名作で美少女ヒロイン役として鳴らした方ですので、<いつまでも若く美しく、その分母性の未熟な母親>というこの役にもぴったり。つまり姉のような母親・・・・・・・ドキンちゃんとコキンちゃん(笑)。

 鶴さんは今回はカメオ的な登場でしたが、後ほど本格的に活躍していただく回がありますので、楽しみにお待ちください。こないだのアフレコはご挨拶に行けなかったので、次回はなんとしてもスタジオにうかがうつもりです。まだ少し先ですが、その回には他にも遊びやサプライズがいろいろ。

 九具津くんをバベルのメンバーとしてしばらく活躍させるというのはいいアイデアですね。原作ではプロットから生まれたキャラなのでこういう使い方はできませんでしたが、アニメ版では味のあるシーンがたくさん用意されてます。大抜擢というやつ?

 気になったのはバベル司令室のオペレーター「アホ毛のあるおねえさん」。声は戸松遥さんの兼ね役だったりするかもと思ったけど違いましたね。スミちゃんではないらしい(笑)。カワイイね? 名前は? 歳いくつ? 彼氏いる? 合コンのエピソードあるんだけど、来ない?

ではまた来週。次回は兵部と桃太郎出ます。