ちさとちゃん、たぶんオールアップです:週刊少年サンデー 2021/29号2021/05/31



エピローグがあと数話、噛みしめながら描いてます。
うまく構想通りにエピソードがまとまるなら、ちさとちゃんと東野くんの出番はここで終わりになる確率が高いです。
このあと薫がいつものようにちさとちゃんにベタベタするカットではたいへん名残惜しそうでした。「やだ、帰さない!」ってセリフと芝居が、お約束のパターンを描いているだけなのに、なんとなく薫のアドリブって感じが。漫画にアドリブなんてあるのかどうかはわかりませんが・・・私はあるような気がします。



さて、そんなわけで完結は目前なこのタイミングで、さっき私は死にかけました。

仕事場に吹き抜けの階段があるんですが、猫がそこに飛び移ろうとして失敗して、落ちそうになって前足でぶら下がってもがいていたのですよ。それを助けようとダッシュしたら、履いていた靴下が良くなかったらしく、私も足がすごい勢いで滑って転倒。もう少しで猫と一緒に奈落に落っこちるところでした。
くわしい状況を説明するのは面倒なので省きますが、踏みとどまろうとした足がさらに滑ってひじょうに危険な体勢になってしまい、その状態でもなんとか猫は助けたものの、私は仰向けで頭から落下するか踏みとどまるかという二択で数秒間もがき、まあ最終的にはなんとか無事に免れたんですけど、あの姿勢で落ちてたら頸椎を損傷してしばらく発見されずにいた可能性は高いと思われます。

死んでいた場合、私が猫をかばったとかそういうことは家族にはわからないので、「自殺ではなさそうだけど、なぜそんなとこでそんな死に方をしたのかはまったく不明」ということになったはず。(てことは十何年も描いた連載が終わるタイミングでの変死ってことで話題になって、それでけっこう単行本売れるかもな・・・まあエピローグはまだ仕上がってないけど、前回入稿した原稿でそれなりに話はまとまってるから、ブツ切れ感もさほどないのではあるまいか)などと悪い冗談を言えるのは、無事で済んだからで。

10年ほど前には、夜中にロードバイクで走ってたらすごいスピード出してるアホなバンが路地から飛び出してきて、コンマ何秒かの差で跳ねられずに済んだということがありました。車は慌てて急ブレーキをかけましたが、タイヤがロックした状態で数十メートルも滑って行ったので、住宅街なのに80キロ以上は出してたと思われます。少しでも接触してたら私はたぶん即死。車の方はあのままコントロールを失って横転するか電柱に激突したとしても自業自得だと思いますが、お互いまったく無事にすんだのは運がよかった。

そういや某大先輩の先生も、エッセイ漫画で「仕事中に飲み物が気管に入ってしまい、こっそり溺れかけた」って話をユーモラスに描いてましたけど、一歩間違ったら本当に窒息してたかもなので実はあんまり笑えない。

そんなわけで、若かろうが年とってようが、家にいても外にいても、用心してても節制してても不測の事態は起こりうるのですよ。先日私と同年配の人気漫画家の方が急逝なさいましたが、お悔やみとして「完結させて欲しかった」ってのは、読者として気持ちはよくわかるけど、あまりよくないんじゃないかなーと。ご本人にも急なことなわけだし、完結させたら死んでいいってことでもないし。さらに「絶チルは完結しそうで良かった」とかは「早く終われ」「お前も死ぬかもしれん」つってるわけで失礼では・・・いやまあさっき死にかけましたけど。完結も目前ですけど。

(これは落ちたら死ぬな。落ちるかも)と焦っていた数秒間、(でも猫は無事でよかった)とも考えていたので、どうやら私は猫のためになら死ぬ覚悟ができているようです。この猫への愛が神様に認められ、もしものときは異世界に転生して無双してモテますように。