もう10話目・・・早い。あと2話で一周年ですよ。さすがに開始当初の「俺がwww高橋キャラ描いてるよオイwww」というテンションは収まって、自分の仕事として手に馴染んできている感。
四凶編の前半は『犬夜叉』メンバーのその後を盛り込みつつ描きましたが、いまやってる四凶編後半の渾沌・窮奇戦はせつなの過去等、アレンジ世界線での『夜叉姫』背景情報を拾いつつの展開です。
コミカライズでは3人がチームになるプロセスはだいぶ簡略化してます。一話目でとわにツンだったせつなが、三話目でもうデレてましたしね(笑)。それをさらに進め、三人ともが姉妹に近い関係にしたくて(三人の重心ができるだけまとまってる方が物語を単純化できるから)、「同じ両親を持つ双子」というとわ・せつなの絆と釣り合うだけの重さをアレンジ時空でのもろは・せつなの過去に持たせました。せつなにとって大切な存在なのだから、とわにとってももろははかけがえのない存在。同様にもろはにとっての双子も大切になるという・・・ついでにせつなの「もし一緒に育たなかったとしても・・」というモノローグは、(アレンジされたコミカライズ世界線でも、アニメでの関係を感じ取っている)という描写です。ここまで連載開始時にほぼ決定していた既定路線。
<夢の胡蝶をせつなに授けたのが御母堂様>という展開も割と早めに決まってた・・・ように思うけど、どうだったかな。いや、少し前の打ち合わせで「すげえいいアイデア出ましたよ!! 御母堂様です! 御母堂様にやってもらいたい仕事がいくつか!!」とか言ってた気がする(笑)。御母堂様をアニメからさらにもう一歩踏み込んだキーパーソンにすれば、無口な殺生丸さまに代わって状況を説明できるし、彼の過ちを説いたり導いたりもできる唯一無二の存在が加わって物語進行が楽になります。私が考えたご母堂様の動きが高橋先生のキャラ解釈と違いすぎたらこの案は使えないなと覚悟してましたが、この先の行動に関してもおおむね許可がいただけたので、今後も御母堂様を頼りにさせていただく予定。まだちょっと先ではありますが、アニメとはまたひと味違う形でのメインキャラとの絡みも目論んでますので、御母堂様ファンはこの先もお見逃しなく。ていうか私が御母堂様めっちゃ好き。
悪役の方もだいぶ悩んで調整。姫たちの状況がアニメとは変わっているため、渾沌と窮奇はもうほぼアニメとは別人。そのあたりはこの次の回、戦いの決着を描くパートで本格的に活きてくるので、まだ「窮奇弱すぎ」とか思うのは早いぞと・・・いやまあ渾沌と共にやられ役であることは誰の目にもあきらかなわけですが(笑)。やられ役というのは、やられる際に主人公たちの心の中の何かを一段押し上げる役目を背負っていて、だから構造上は彼らも夜叉姫たちの一部なのです。現在執筆中の第11話では仕込んだことがかなりうまくいったかなと思ってますんで、戦いの決着にご期待くださいませ。
ところで予告しておきますが、夜爪はこの戦いでは逃げて無事なものの、あと二話、第12話であっさり死にます。こいつの死に様も割と早いうちにいいネタを思いついてて、描くのを楽しみにたんですけど、なかなか死ななくて・・・でもついに二ヶ月後に死ぬ夜爪。いやまあ誰も「夜爪どうなるのかな!?」ってドキドキしてないと思うからネタばらししたけど、もし彼の無事を祈ってた人がいたらごめん。