アニメ第48話2009/03/08

髪型が801ちゃんに似てると気づいてしまった…

 薫が幼少時のこだわりを乗り越えて、未来に向けて歩き出す・・・という回。チルドレンの成長のためには必要なプロセスだと思うのですが、自分ではちょっとテーマがナマで出過ぎて重くなったかなと反省してるエピソードです。アニメ版では、ナベシンさんの軽やかな演出がそこをカバーしてくれました。かなり長い原作を短くまとめてて、ざっと見る分には賑やかなバトル回、じっくりみると意外と深い、みたいな良回になっているのではないでしょうか。長森さん+玉川さん作監の作画も素敵。ありがとうございます!

 <黒い幽霊>の子供たちは、過保護・過干渉な歪んだ親の愛情にとりこまれた、自分の人生を歩む力がない、ダメな「いい子」のメタファーですね。パティもこの後、ティムやバレットと同じく残念なことになるのですが(笑)、それはまあ「未熟ながらも自分の世界を持ち始める」ということでもあります。

 薫の母親は包容力にやや問題があります。ただし、誰しも母親として完璧にはなれません。みんな元々はただの女性で、母として努力しているだけなのですから、難しい子供を持てば未熟な面が露わになって当然です。

 かーちゃんは彼女にできる精一杯のことをしてくれてて、薫はそれに気づく。で、欠けてたピースはそれを人に与えるという形で薫自身で埋め、人間として成長し、バランスをとっていくと。兵部が言うように、それが女王の資質であるというのがワタシの解釈。
 パンドラは「不良少年の集団」で、それも結局は<反抗>という形で親に縛られ、愛情と理解に飢えてます。だから女王を求めていて、そんな彼らを、薫もまた必要とする・・・みたいな。
 
 ねーちゃん役の國府田マリ子さんの他、パティは小林沙苗さん、カガリは入野自由さん、カズラは加藤英美里さんという豪華ゲスト。みんなかっこよくて原作者大満足です。例によって「あああ、もっと出て欲しいー!!」なカンジ。特に小林さんにはいつか、ダメになったあとのパティも演じていただきたいですね(考えてみればねーちゃんも最近の原作ではダメになってたよーな・・・4コマは危険だ)。

 釘宮理恵さんには、これまでさんざっぱらアレなセリフを言わせて本当に申し訳ない。ああいうセルフパロディーは嫌がる人と楽しんでくれる人とがいて、彼女がどちらなのかはワタシには不明・・・っていうか、今さら怖くて訊けんわ(笑)! 先日お会いした折、一応謝るだけは謝っておきました(^_^;)。

 次回は皆本ハーマイオニ登場! 声はまたまた釘宮さん! 声優アワード・主演女優賞おめでとうございます!!

アニメ第47話2009/03/01

吹きすさぶ風がよく似合う、九人の戦鬼+隊長

 過去と未来・現在が交錯して、子供時代の終焉を予感させるという、前回とは打って変わったシリアス回。エンディングのオルゴールが本編に登場、曲はイメージ通りのトロイメライで嬉しかったです。ちなみに戸松遥さんは曲名をご存じなかったそうで、妙な発音をしてしまってスタジオを湧かせたとか(笑)。いや我々・中の人ファンにとってはそれ、萌え要素なんで、オッケー、ドンマイ!

 兵部は原作よりイイですね! 葉と紅葉にコーディネートされるシーン、絵にも遊佐さんの声にも萌えました(乙女回路作動中)。アイキャッチも可愛かったですよね!

 今回のエピソード、猪爪さんはワタシ以上に原作を咀嚼してプロットやシーンの意味を汲んでくださったと思います。ワタシが「基本的に暗い話なんで、TVアニメとしての派手さが欲しいです。兵部とのバトルはチルドレン三人一緒にしてはどうでしょう?」と提案したところ、「薫と兵部のバトルは、二人の秘密の愛の交歓です。二人っきりがベスト」と指摘していただいて、ああ、なるほどと。ワタシは自分の描いたものについて、かなり分析的に考える方じゃないかとは思うんですが、それでも天然でやってる部分も多いので。

 で、最終的に<兵部はサディスティックに薫の成長を味わってバトルを楽しむ。薫は皆本への裏切り行為の埋め合わせとしてリミッターをとり戻し、兵部は最後の瞬間に手加減して身を引いて、この二人の関係も壊さずに維持>・・・という流れに

 とまあ、そのあたりは一生懸命セッションしたんですが、今回紫穂が「パパ」ではなく「お父さん」と呼んでて、そこは我々のケアレスミスですね、すんません(^_^;)。

 兵部の上官「メガネの隊長」の声はまたまた四宮さん。素敵だ・・! 本当にヒキダシが多い、スゴイ人です。クレジットされない役が多くて申し訳ないのと、もっとやっていただきたい気持ちでいっぱいです。ちなみに四宮さんは、中学生の頃、盲腸で入院中に『㈲椎名百貨店』を読んで、それ以来ファンでいてくださったそうです。
「手術の傷がまだくっついてないのに4コマで爆笑しました」とおっしゃってくださって・・・嬉しかったけど、すんげえ痛そうで、なんか申し訳ない(笑)。

 監督によると今回の作画を担当してくださった座円洞さんは、非常に安定した品質と堅実な仕事をしてくれるスタジオとのこと。が、このエピソードではかなり枚数オーバーしたそうで、地味な箇所にも手がかかってます。食事や着替えなどの生活描写を積み重ねるのはアニメでは大変なんですね。

 次回は澪を初めとするパンドラメンバー、そして第三の<黒い幽霊>・あの娘が登場!

アニメ46話・補足2009/02/23

完璧すぎて危険なふつくしさ(笑)

 ブログを見た川口監督からメールによると、46話のカットのいくつかは、加々美さんがレタッチしてくださったそうです。「さすが本物」とのことで(笑)、圧倒的なソレっぽさはそのおかげみたいですね。ありがとうございました!!

  漫画やアニメのパロディーというのは、オリジナルへの愛情と敬意を示すことで「あっはっは、まーかまいませんよ」という黙認をいただくというギリギリのネタです。一部それが全く通用ない著作権者もいらっしゃるので、面識がない場合はかなりデンジャラス。ホントすいません。

アニメ第46話2009/02/22

ポテチはもちろんコンソメです

 こういうネタは全力でやってナンボ。みなさんガチで全力投球してくださって、すごいことになりました(笑)。パロディー元ネタ関係者のみなさまには、どうかお許しいただきたいのですが・・・・とりあえず笑ってはいただけるのではないでしょうか(^_^;)。

 福田さんの脚色はティムとバレットの組み込み方、主題の展開など見事です。原作では単なるギャグだった「親友」という言葉をキーワードに、<一緒に遊ぶ友達がいるチルドレンたち×いないティムたち>という対比を構築。パロディーというモチーフ自体が、友達とノリノリでやってる<ごっこ遊び>だという解釈なんですね。そういう仲間がいることが幸せなのだというメッセージ。美しい・・・!!

 作画を担当してくださったのは、西尾さんとアクタスのみなさん。こでらさんのコンテも中野さんの演出も素晴らしくて、頭脳戦シーンの超絶っぷりなどは解説不要ですね。いやもー笑った笑った。派手なパートだけでなく、何気ないところまで神経が行き届いていて、本当に楽しかったなあ。加々美さんはアイキャッチで大技を繰り出してくださいました(笑)。遅めの朝食食べてた方は、吹いて大変なことになったのではないでしょうか。

 監督が今お忙しそうなんで確認とってませんが、キャストのみなさんにはキャラの筆跡もお願いしたと思われます。ちなみに平野綾さんがこっそりやってくださってた例のネタ、あれはアドリブではなく、台本にちゃんとあります(笑)。みなさん、ありがとうございました!!  


 「セレンディピティ」というのは実際にある言葉で、「偶然や失敗の中に、思いがけない価値ある何かを発見する力」のこと。日本語で近いのは「ケガの功名」「瓢箪から駒」あたりですけど、もっとポジティブなニュアンスです。具体的には、インドへ行くつもりが新大陸を発見しちゃったとか、サンプルに不純物が混入したために液晶素材が安定したとか、アニメ『おにいさまへ…』でキスシーンに小さな透過光を入れるつもりが撮影ミスででっかいボカシになったとか(笑)、そういうの。つまり、<思い通りの未来を作る>という設定はウソで、実はストーリー展開そのものの方が本当の「セレンディピティ」を描いているわけです。

 で、気づいちゃったのですが・・・・バレットの「ブローニングMか!?」というのは、たぶんアフレコ台本での「Mか!?」の誤植ではないでしょうか(笑)。でもそれが近藤隆さんのいい演技もあって、台詞としてイキオイ出ててワタシは可笑しかったのね(ティムの方は意図的な言い換えですね。実在の商品はまずかったみたい)。
 「セレンディピティ」をネタにしたまさにそのエピソードで、些細な箇所とはいえこういうことがあったというのは、目に見えない何者かが通りかかって、いたずらっぽく作品に手を触れていってくれたように思えます。
 あなたが神ですか!?

 さて、カバーバージョンの限定OP・ED、いかがでしたでしょうか。強くりりしい素敵な「MY WINGS feat.THE CHILDREN」はシングル『早春賦』に収録。元気で可愛いGirl'sバージョン「絶対Love×Love宣言」はアルバム『Fly To The Future』に収録。初回限定版付属のDVD映像、ワタシはニヤニヤ&萌え萌えしっぱなしでしたよ(*^_^*)。

アニメ第45話2009/02/15

部屋に女の子が3人来るって、ちょっとドキドキ

 タケシ役の小林由美子さんの声、本当の子役みたいでびっくり。今回もまた、ていねいに作られた高品質な良回でした。一カ所だけ、英語のスペルに間違いがありましたが(笑)。

 このエピソードではSF設定を身体測定や体力測定という子供の生活に落とし込んで、それっぽさを出してみました。肉体的に負け組で、ああいうときけっこうつらかったのはワタシだけじゃないと思う。トラウマってほどじゃないけど、なんかザラっとした想い出だよね。
 ESP検査は映画『ブレード・ランナー』のアンドロイド判別テストのパロディーで、アニメではさらにいっそうそれっぽいカンジに(笑)。検査機の横に置いてあった折り紙は、同作品で登場する小道具ですね。スタッフも楽しんで乗っかってくださったみたいです。

 「ギフト」はこの作品のキーワード。ご存じのように<贈り物>をあらわす英語ですが、<才能>という意味もあります。キリスト教の世界では、才能というのは「神様からの贈り物」なのですね。人間は誰しも、必ず何かギフトをもらってます。それに気づいて感謝し、なんのためにそれを与えられたのかを考え、正しく活かすことが神の御心に沿う・・・ということではないかなと。

 ワタシは『美神』を描いたとき、「自分のダメなところも、ネタとしてふくらませると大勢の人に楽しんでもらえる商品になる」ということを知りました。いっぽう、今でも「高橋●美子や浦沢●樹や青山●昌のような業界スターと比べると、自分なんかゴミで何の価値もない生まれてすみません死のう」としょっちゅう思うので、まだ全然修行が足りないみたい(笑)。

 今の状況を考えると、「椎名センセイ羨ましい」って思ってくれてる人もたくさんいるはずです。漫画も人生も、スポーツ競技みたいな単純な結果を競う<勝負>じゃないんだから、他人と比べるのは意味がありません。ってか、その勝負の世界でさえ「チャンピオン以外には価値がない」みたいな考え方はオカシイじゃないですか。・・・なのになぜ、「『***』より売れてない」とか言われると、ひどく傷つくのでしょうか(笑)

 えーと、なんの話だっけ。そうそう、原作ではタケシくんの同級生は他作品のキャラ風でしたが、大人の都合でアニメではああいうことに(笑)。考えてみたらタイガーってアニメ初出演ですね! ありがとうございます!


 さて、次週はいよいよ「ですノート」編、予告でもう爆笑でした。平野さんのミ●ちゃんネタも出るか!? あと、OPが特別版です。お見逃しなく!