絶望した! :週刊少年サンデー08/12号2008/02/10

 東京は雪です。とてもとても寒いです。買い物もめんどうです。仕事も忙しいし日々ストレス全開です。で、運動もせず買い置きの炭水化物を連日大量摂取してたら体が大変なことに。あとドライアイが進行したようで、ゴーグルしてないとモニタが見てられない。なのに今日もアトリエにひきこもってアニメの視聴。「いやこれも仕事だから。今度自作がアニメになるんで勉強しているのです」 自分に言い訳しなければならない中年の気持ちをアマゾンさんはわかってくれません。「椎名高志さんにおすすめがあります。『もえたん Lesson 5 』」

 
 さて、そんなこんなで『絶望先生』の第一期DVDを今頃全巻購入。大画面で見るにはエアチェック画質だと物足りないからなのですが・・・いや美しい。あの美しい色彩設計をプロジェクターの反射光で見てると、それだけでも気持ちいいよ。そしてふとエンドカードの話が来る気配もないことに気づいて絶望した。

あててんのよ :週刊少年サンデー08/13号2008/02/15

 今週はどーしてももう1ページ欲しかったので『サプリメント』はお休みです。
 それと、この次14号はまた休載です。まーだいたいご想像つくと思いますが、アニメの開始に合わせていろいろあるのと、放送中には極力休まないためってことで。
 
 さて、予想以上に長くなってしまった「出会い編」ですが、割ときれいに着地できたように思います。須磨さんはかなり気に入ってて、思い入れて描きました。ワタシは完全な悪党が描けなくて、劇中ではたいていみんなそれぞれ自分の信じるところに従って衝突します。須磨さんもストーリー上は悪役なんだけど悪人というわけではなくて、彼女なりに人生を賭けてチルドレンを真人間にしようとしているだけなのです。まーだからこそ困るんですけどね。個性の強い子供には、規範意識の強すぎる権威主義的な大人は天敵なのです。努力すればするほど問題児が追い詰められる、みたいな。「たいていの悪いことは良かれと思って行われる」って誰か偉い人が言ってたっけ。

誤植情報:週刊少年サンデー08/12号2008/02/20

 『肩間』ってナニ? ルビまで<けんかん>と振ってあるけどそんな言葉聞いたことがないよ(笑)。
 
 正しくは『眉間(みけん)』です。兵部とチルドレンのポジションの近さを暗示するセリフだったんですけどね。まー入稿がものすごくヤバかった号なのでこういうコトもある。スイマセン。
 
 ところで話は変わるけど、アニメ『俗・さよなら絶望先生』の第7話がすげえ。いや毎週「すげえ!」つって見てますが、またすげえよ。エンドクレジット見てたら・・・あのCパート、吉松さんだったのか!! すげえ! アンタすごくすげえよ!!
 
 そして漫画『さよなら絶望先生』第12巻の紙ブログにワタシの名が(笑)。時々ちょこちょこっとネタにされててすっげー嬉しいんだけど、ワタシ、心弱いですから。以前かわした不可侵条約はまだ生きてます・・よね、久米田先生? 「SP=椎名パンツ」みたいな言葉発明されたらたぶん死ぬ(笑)。

予測不能サスペンス劇場 :週刊少年サンデー08/15号2008/02/28

 アニメ情報が段階的に解禁です。
『ハヤテのごとく!』の後番組、制作も同じシナジーSPです。『ハヤテ』ファンに責められたくないので言っておきますが「二期やった方がいいんじゃないでしょうか」という話はしましたからね(笑)? 
 
ワタシとしては『ハヤテ』が好きなので、そのスタジオと監督が引き継いでくれることを歓迎してます。特に川口監督はバランス感覚に優れた方で「原作の本質部分を踏まえたうえで、より間口の広いものを」というワタシの無茶なオーダー(笑)を理解してくれて、品質、制作状況、放送期間などあらゆる要素をギリギリの落としどころに持って行ってくれてます。なにせこれまでも『もえたん』『ハヤテ』と、いろんな意味でギリギリの一線を見極めてきた<漢>。大丈夫、今回偉い人や視聴者に怒られるときは俺も一緒だ! たぶん! まーなるべく!

 総作画監督・キャラデザインには『遊戯王』『デスノート』の加々美高浩さん。『美神』のときにお世話になってて、その後の活躍からもファンが多いはず。いやもう『美神』ではイラストの話とかがくるたびに「それは僕が描くよりぜひ加々美さんにお願いしたい!」と言い続けてました。今回は加々美さんのターン! 計算通り!! 
 
各話ゲストスタッフも超豪華ですので、個人的には期待しちゃってます。ただまー制作状況がかなりキツくてシャレになってないらしいので、アニメスタッフの方々におかれましては、必ず生きて戻ってくださいねと(ちょっとマジ)。打ち上げではみんな一緒にいい酒を飲みましょう。

もちろんワタシもできる限り協力して、全員で放送終了までやれるだけのことはやりますんで、視聴者のみなさまにはぜひとも暖かい応援をお願いします。みんなの元気をちょっとずつわけてくれ。

「ザ・チルドレン」キャスト2008/02/28

 声優さんには読者のみなさんひとりひとりに希望やイメージがあると思いますが、ワタシはこんなことを考えてましたってことで。一応もろもろの事情から「できれば若手人気声優さんで」という要請があり、ワタシも作品コンセプトからいってそれは全然アリだと思ったので、そこもよろしく。
 
 
薫:平野綾さん

 人気があることは存じてましたが、予想以上に反響があって驚きました。びっくりしてメールしてくる元担当とか(笑)。いやまー正直、ワタシの頭の中には最初から平野さんが浮かんではいたのですよ。一度聞いたら忘れられない魅力的な声だし、『ハルヒ』『らきすた』の彼女はそらもー素晴らしいし。でも声優さんにはあまり詳しくないので、こちらからは一言もお名前を出さずにいました。ホントです(笑)。
 
 個人的にはなんかね、薫が彼女を呼んだんじゃねえかなと思ってます。というのも薫役はかなり難航しまして、やっと意見を調整してオファーしてもどういうわけかどの方もスケジュールが合わなくて、困った事態になっていたのですよ。そこに最後の最後になって手品のように原作者内心の本命・平野さんのお名前が。ワタシに異論があるわけもなく、監督もスポンサーさんも喜んで、満場一致。
 
 原作者のオーダーは
「原作から想像する一般的なイメージよりもよりもフェミニンな声。『やんちゃなお姫様』『将来は魔族の美しくてカリスマのある女王になる、モンスターの幼いおてんば姫君』と解釈してもらいたい。男っぽい言動のキャラなので、なおさら絶対に男の子っぽくない声を希望。ボーイッシュで下品な言動をしても、常に声で『それがなければ可愛いのに』とアピールできる人。薫はコメディエンヌであると同時に影があり、大人になったら悲劇的ラブストーリーのヒロインとなる複雑なキャラなので、そこをカバーできる演技力も欲しい」
 
 てなカンジ。平野さんなら完璧だと思うのですがいかがでしょう。ちなみに平野さんは『アンパンマン』でコキンちゃんっていう役やってるってご存じですか? 鶴ひろみさん演じるドキンちゃんの妹なのよ(笑)。
 
 
皆本:中村悠一さん
 
 サンデーのコメントで「先生が『セクシーに』と言ってた」みたいなことおっしゃってたけど、や、諸君、それは誤解だ(笑)。ワタシは男性キャラをもっと女性が見ても魅力を感じるようにしなければならないと感じてて、でも力不足なのでアニメに助けて欲しかったのですよ。で、「声がセクシーな方」とリクエストして、結果中村さんにお願いしたと。だからその部分に関しては、加々美さんに絵を直してもらって声を中村さんに演じていただけるってだけでもう。けして彼に「色っぽく演じてくれ」とか「ウチの皆本は色っぽいのだ」などと言ったのではないのです(笑)。

最近の若手声優さんはみなさん芸達者だしラジオ番組などでのアドリブトークも面白い方ばかりで、中村さんもその例に違わないのですが、彼は冗談を言っているときにもどこか誠実な人柄が感じられて、そこも「俺の皆本」なカンジです。

 
 オーダーは
「叫んだりツッコんだときにも崩れない魅力的な声」
「知的な優しさと安定したパーソナリティーを感じさせるが、きちんと自制した<男性>もその奥に見える、女性にとっての理想のお兄さん」
 
 
葵:白石涼子さん
 
 役の第一条件は「関西弁ネイティブな方」。真面目な話、シナリオの方言監修もしていただきたいから。監督は「関西弁キャラは同じ人に偏るので、そのイメージがまだない人がいい」ということで、白石さんを推しました。ハヤテくん役だったわけですからちょっと意外だったのですが、いろんなサンプルを聞いてみたら白石さんの声はかわいいだけでなく、なんか心の安定を感じさせるものがあって「あ、この人の葵はいいかも!」

白石さんは「男の子を演じたい」とあちこちでおっしゃってて、ハヤテくんに限らず少年役をたくさん演じていらっしゃる方なのですが、一方で美少女キャラも何の違和感もなくこなしてらして、ご本人はというとそっちとイメージが重なる、非常に美しいフェミニンなお嬢さんです。で、そのアンビバレントな印象も葵とビッとつながった気がしたので、ワタシからもぜひお願いすることに。
 
 10歳の葵は女として見られたいという気持ちと、その嫌悪感の間で揺れています。また、非常に高い能力を持っているにもかかわらず、他の二人にかなわないと感じていて、一人では役に立たないと思いこんでいる。それが大人になると知的でタフで、でも女性としても魅力的な、バランスのとれた人間になるのです。要するに成長する余地がはっきり見える子です。凛とした白石さんの声で演じていただけたら、今葵に足りないもの、やがて手に入れるものが感じられると思います。
 
 
紫穂:戸松遥さん
 
 紫穂はどす黒い発言をしれっとする女ですが、ワタシはそれは彼女の自己防衛だと解釈してます。心の痛いところを突くとどれほど効果的かを誰よりも知っているので、逆に自分がそうされることを何よりも恐れてます。だからクールでサディスティックな女を演じて感情を隠し、先手を打って身を守ろうとしているのです。実際には中身は人一倍甘えん坊で手のかかる難儀な子で、「愛されキャラ」を演じる勇気がありません。その弱さを薄々感じ取っていて、傷つけられてもけして仕返しをしないであろう皆本には「私は平気」と安心して虚勢を張ることができます。薫のことをものすごく頼りにしてて、自分が守られていると感じる分、葵と二人で彼女を守ろうとしています。
 
 で、キャラの台詞が黒い分、声にはそれを打ち消す可憐さが欲しいと思いました。監督は以前仕事をした戸松さんを高く評価してて、ワタシも彼女が演じると、毒のある台詞の背後にも紫穂の幼さとか弱さがにじみ出て、可愛いキャラになると思うのですよ。あの可憐な声で「魚の苦しみと怨念が口の中に広がって、とってもおいしい」などと言っていただけたらなあと(笑)。それと、あとで知ったんですが、まだ20歳(!)の平野さんよりさらに若い、18歳(!!)というのもポイント高い気がしますね。平野さんや白石さんをちょっと頼る感じが出ると嬉しいなあ。なのに台本のセリフは一番偉そう、みたいな。