小さいユーリちゃん :週刊少年サンデー10/46号2010/10/06

おとうさまはあくのそしきをけいえいしています


 休載明けはセンセイ頑張りました。何を頑張ったかというと、中二的な演出を頑張りました(笑)。とりあえず表紙がリトマス試験紙になってるように思いますので、吹いたら高二病ってことにしましょう(笑)。

 とはいえ、内容はちょっと精神的にキツかったです。漫画的な状況に落とし込んではいますが、ワタシの中にある児童虐待への憤りとかがチラッと出てる回。怒りと中二センスは相性がよろしい。



 さて、ツイッターでは面白いことや痛いことを言うとたくさん反応してもらえます。落書きに反応してもらうのも楽しくてしょうがないです。なんかね、お絵かきを好きになった小さな頃の原点に戻ったような・・・人に反応してもらうって大事。で、毎週の感想もいっぱい送ってほしいなと思って、「週末にいただいた感想にお返事しますー!」みたいなことをやってみたところ・・・・・・・・・・・・・・軽く調子を崩しました(笑)。
 
 もともとワタシは物語を計算ではなく憑依して作るタイプです。だから基本、ストーリーに関しては相手が嫁でも編集者でも、よほど納得しないとそう簡単には意見を取り入れたりすることができません。この思い通りにならない、脳の中で漫画を作ってる無意識のことを、ワタシは「ネーム様」と呼んでますけど(笑)、てことは描いてる最中はあまり論理的にものを考えてないので、あとで自分の描いたものに自分で発見したりすることが多い。仕事の内容について解説するのはかなり好きな方だと思います。

 そんなわけで現在進行中の物語についても、あまり突っ込んだ話をしなければ読者とやりとりできるだろうと高をくくっていたんですが・・・・もうね、「感想に対して片っぱしから軽いコメントをする」というその行為自体が、内容の如何にかかわらずネーム様の機嫌をそこねるみたい。原稿用紙に向かってもまったく絵が浮かばなくなって、往生しました。

 漫画をチラシの裏に描かずに雑誌に載っけているのは、みなさんに楽しんでもらいたいからです。それがうまくいったりいかなかったりを、すぐに見れるというのはたいへんシアワセなんですよ。ですんで、今後もどしどし感想は送ってくださいね、マジで。ただ、今回の反省をふまえ、あまりこちらからお返事することは控え、基本的にはこっそりニヤニヤしたり悔しがったりしたいと思います。ま、例外的に多少お返事する分にはネーム様のご機嫌も大丈夫みたいなんで、その辺は臨機応変に。

貴族になりたい :週刊少年サンデー10/47号2010/10/14

パティは脚本・演出・ナレーション


 この数週間、スケジュールが一週遅れてる本編と細かい他の仕事が常に同居して、煮詰まってるか作業してるかという日々が続いてました。このたびめでたく細かい仕事の方が全部片付き、抱えているのはギリギリ進行の本編だけに。まだ充分ヤバいのに、ものすごい開放感です。

 ある程度気持ちに余裕があるうちは、散歩したり公園で弁当食ったりしてガス抜きしてるのですが、だんだん頭の中が混乱してその気力もなくなります。いよいよ精神的に追い込まれたときの、ワタシの最後の砦はガンプラです。

 忙しい時にそんな遊びをしてちゃますます進行が危ないのはわかってるけど、たとえば一時間休憩するとしても、もうその段階では一時間ずっと追い込まれた状態で瞳孔開いてるのですよ。いっとき全てを忘れて気分転換をはかる必要があって、本当なら運動するのがいいんだけど、体だるいし外出るのがもうおっくうだし仕事場から離れると常に戻るまでの時間が気になって仕方がない・・・・苦痛です。

 で、おもむろにランナーから部品を切り取って、組み立てて、削って、磨いて、塗装して・・・・あら不思議、いつのまにか何も考えてない(笑)。まー要するに瞑想の一種ですね。完成させることより作業そのものが目的なんで、なかなか一体組み上がりません。別に凝ったことやってるわけじゃなくて、ちょっといじってはながめての連続。あ、でも先日は初めてエアブラシを使ってみたよ。

 とまあ、そんなカンジで精神的にはなんとか乗り切りましたが、肉体的にはこの二ヶ月で6キロ太りました。思うにせめて、塗料なんかは模型屋まで買いに行った方がいい。amazonさんは実によくない。


 さて、本編はようやく劇がエンディングを迎えました。長くなっちゃったけど、もう一回だけエピローグやって終わります。
 「ちくび券」ネタの結末を描きおろした単行本最新23巻は18日頃発売! 一部書店様用販促カードは三種。あと、某ゲーム用カードイラストも三枚描きましたけど・・・それについての詳細はいずれまた。

今気づいたけど、このコマの兵部にステッカーがあるのは間違い :週刊少年サンデー10/48号2010/10/21

その前に剥がしてるんだよね。

 文化祭編終了です。精神的に張り詰めてたのが切れた直後にはたいてい体調を崩すものなのですが、今回も風邪をひきました。


 さて、ここんとこ仕事中にずっとDVD『スタートレック・ヴォイジャー』を見続けてて、もうちょっとで最終回というところまで来ました。で、数年前にバンダイからおそろしく出来の良いスタートレックのプラモデルのシリーズが出てたというのを知って、欲しいなあと思ってたのですよ。

 しかしなんかパラマウントの版権がどうとかいう理由から、販売期間が短かったとかで、現在非常に入手困難だそうです。知名度の高いエンタープライズ号なんかはまだそれでもちらほら手に入るのですが、ヴォイジャーはそもそも作った数自体が少なかったと思われ、ネットにもなかなかヒットしない状況。

 悔しいのがですね、数日前には売ってたのですよ。それがワタシが「よし、買おう」と決めたときにはもうなくなってたという。これはあれか、ワタシがツイッターでヴォイジャーの話をしたせいで、「どーしよーかな」と思ってた少数派のニーズに点火しちゃったんでしょうかね。だとすると自分で自分の首を絞めたことになります。

 ところで今回の仕事では、すでに生産されていないJISマーク入りペン先デッドストックを入手して使用してみました。昔のペン先は現在よりも製造工程が多く、高品質だったのです。これが・・・・・すんごい描き心地。

 当たり外れなく細い線がすうっと描けて、柔らかいバネのようにしなり、現在の製品よりも気持ちよく強弱がつけられます。しかもその描き味が12ページ以上も劣化せずに持続。腕の疲労も軽く、ストレス少ない状態で作業ができて、いつもより早めにペン入れを終えることができましたよ。風邪気味だったのでありがたかったです。昔の漫画家はこんないい道具使ってたのか。

 ・・・・というようなことを書いてしまうと、今以上に入手困難になるからやめておこうと思ったのですが、まー「高くても欲しい!」というニーズが高まればまた再生産されるかもしれないし、ワタシはすでに300本ほど確保したので大事に使えば3~5年は保つし。へへーんだ。

上から目線の澪さま :週刊少年サンデー10/49号2010/10/26

「あんたは私の犬なんだからね!」みたいな。

 ちょっとした思いつきで「JISマーク入りペン先を持っている方、1カートンと色紙を交換してください」というイベントをツイッターでやったところ・・・・多数の方が探してくださって、たった2日で1000本以上集まってしまいました。ご協力ありがとうございます。

 まさかそんなに早く見つかるとは思ってなかったので、色紙はカラーで三人ずつお描きするというお約束。10枚でキャラが30人・・・・もうちょっとよく考えろ、俺(笑)。なんとかクリスマスまでには全員分お描きして発送したいと思いますので、しばらくお待ちください。(現在はもう終了しております。また、これ以上はペンは不要です)

 ウチにはゲームの商品にできそうな美神やチルドレンのノベルティーグッズなんかもありますし、仕事場にこもって漫画描きながらにして読者のみなさんと一緒に遊ぶのは楽しかったので、何か思いついたらまたぜひこういうイベントやりたいです。


 さて、本編。今度はなんかおバカな話が描きたくて、肩の力抜いて描きました。『チルドレン』ではそう思って始めても途中でなんか主題が浮かび上がってきたりしちゃうことが多いんですが・・・・今回は最後までおバカなまま行けるようがんばってみようと思います。