絶チルはG4で仕上げしてます :週刊少年サンデー11/47号2011/10/08

 先日スティーブ・ジョブズ氏がお亡くなりになりました。同世代を生きて世界を変えた偉人を一人失ったという事実に寂しさを感じております。appleⅡは子供には高すぎてとても手が出ませんでしたが、MacとのつきあいはLC575を購入して以来です。美しいボディーと直感的で親しみやすい画期的なインターフェイス・・・初めて起動音を聞いたときのワクワク感は忘れられません。今思えばあれは世界が変わる音でした。

 オバマ大統領はスティーブ・ジョブズ氏を「人と違う考えを持つことに勇敢で、世界を変えられるという信念に大胆で、そしてそれを成し遂げる優秀な人物」と讃えました。ワタシも全く異存はありません。が、話を聞く限り、ジョブズ氏は関わり合いになりたい類いの人では全然なくて、ものすごい難儀な人です。特に感情コントロールの下手さ、思いやりのなさなどはズバ抜けてます。どっか無邪気で天然なので憎めないし、関わらなかったので別にいいのですが。


 才能や個性は協調性とは対立する傾向にあるように思います。強力な個性を貫いたり新しいことをする人は、ただ創造的であるだけではダメだからです。小さな物差しで他人を測り、欠点をあげつらい、出る杭が打たれるのを見て悪意の自覚もなくほくそえむ人たちというのはどこにでもいます。専門分野でのスキル以外に、そういう様々なものと戦う獰猛で巨大なパワーも必要なのです。

 とはいえ、相当アクの強い人物であっても協調性や思いやりは学ぶことができるし、それが才能や個性の邪魔になるとは限らないと思います。無理解や競争相手に力づくで打ち勝ち、新しいことをやりとげることは素晴らしいし、それには猛々しさも必要です。しかし業績や収入だけでは人間の心は埋められないので、みんなと仲良くやれた方が本人も幸せなんじゃないかって気がします。

 でまあ、何度も言ってきましたが、そんな暗黒面も持つ「個性」「才能」=「世界を変える力」のことをワタシは漫画で超能力にたとえてます。ワタシのエスパーたちは巨大な才能を持つと同時に難儀な人たちで、でも憎めない、そういうキャラなのです。エスパーとノーマル対立の根っこは<善と悪>ではなく、同調圧力・支配欲と奔放さの対立や、立場・利害の違いなどです。

 というわけで絶チルがもしハッピーエンドで終わるとすれば、それはチルドレンが偉大な存在として世界を変え、同時に小さな一個の人間としても幸せで満たされるという形にしてやりたいなあと思ってます。ていうか、絶チルの話できれいに終われましたね。


 ジョブズ氏のご冥福をお祈りします。