それがi(アイ)でしょう ←うまいこと言った :週刊少年サンデー12/10号2012/02/02

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 さて、自分で書いておいてなんですが、「虚数空間」ってなんなんでしょうね(笑)。昔萩尾望都先生の『百億の昼と千億の夜』でそんなようなセリフがあってカッコよかったので。虚数というのは高校で習う数学的概念で、SFや物理学や数学に詳しい人に聞くとめんどくさい話をしてくれると思いますが、劇中では「虚数空間」は「この宇宙の外」くらいの意味で使ってます。

 兵部は「この世のどこでもない座標」にテレポートして、そこは宇宙の外側なので、我々には想像することも認識することもできない・・つーか無意味な世界である、としておいてください。いやあまり真面目に科学的にどうこうとか言わないように。漫画だから(笑)。

 ワタシの脳内にのみ存在するSF漫画的なんちゃって物理学によると、テレポート自体が空間をねじ曲げるかどうかしてると思うので、たぶんテレポーター同士が相手の念波に干渉する際は、出発座標と出現座標をくっつけるのを邪魔するかどうかしてる。今回、登場人物たちは敵の妨害を避けてその場から消えるため、出現座標なしにテレポートさせたのではないかと考えてます。

 高次元的な概念や演算を三次元の住人である人間は素で認識も理解もすることもできないので、テレポーターはそのあたりを何か超次元的な存在にアクセスして処理して、脳が理解できる範囲で結果のみをコントロールしているのではあるまいか。テレポーターが通常、出発座標と出現座標を脳内でイメージすることで超能力を発動していたのに対し、未来の葵はブーストによって事象の地平線の向こう側、つまり虚数空間への座標設定ができるようになったのだと思われます。そもそも時間を遡るという能力自体がそれによく似たもので、これは薫の思いが加わってできたことです。

 ザ・チルドレンがブーストで時間を超え、その結果がフェザーであると気づいた兵部は、「光速の女神」メインになればそれも可能であると考えました(いつものテキトーな直感で)。言われたフェザーはそれができると確信し、あのような事態になったわけです。現時点では、兵部は「事象の地平線」の向こうにいるわけですから、生物学的には「生きている」とも「死んでいる」とも言えません。そもそも「存在」とかそういうことが意味をなさないのです。

 てことはそこが「虚無」であるとも言い切れないのですが、たぶん兵部は言いたかったのでしょう。カッコイイから(笑)。