鋼牙くん大活躍中です :少年サンデーS 2022年/04月号2022/02/25



 連載開始から半年で、ようやくもろはちゃんの「紅夜叉」フォームが登場です。漫画は白黒だし動きや音の情報がないので、変化がわかりやすいように、でももろはちゃんらしさを損なわないようなアレンジを試み、高橋先生の意見もうかがった結果あのような仕上がりに。

 変身アイテムの紅についても悩みまして、最終的に名前は「不知夜(いざよい)の紅」、デザインも京貝紅風の蛤としました。真珠はコミカライズではもろはちゃんの体内にあるという設定ですので、紅には付属してません。

 もともと「十六夜(いざよい)さまの紅」は、原作漫画にはないTVシリーズ『犬夜叉』のオリジナルエピソードに登場した、犬夜叉のお母さんの形見です。全シリーズの中でも屈指の傑作回なので、ご存じない方はぜひ配信等で見てほしい。そのアイテムをもろはちゃんの変身アイテムにするというのは素敵すぎる設定ですね。

 ただ、実はその紅、件のエピソードではとある事情で失われた・・・ということになってまして、『犬夜叉』との連携度を高めにしているコミカライズ時空では、それが再登場するのがちょっと気になります。あれこれ理屈を考えてはみたものの、もう別物にするのが手っ取り早いなと。だもんで、コミカライズ時空でのもろはちゃんの紅は「不知夜の紅」というアーティファクトであって、お祖母さまの形見「十六夜さまの紅」ではない・・とご了承ください。

 ちなみに「十六夜」も「不知夜」も読みは「いざよい」です。「いざよう」とは「躊躇う」という意味で、だから「十六夜の月」とは「なかなか出てこない月」のこと。「不知夜」は「いざよい」の古い当て字らしく、「いざ」というのは「知らず」とセットで「いざ知らず」と使う語なので、「不知」を当てたのだと思われます。昔の人の言葉遊びなんですね。

 凱風師匠はもろはちゃんの育ての親でこそなくなりましたが、コミカライズ時空でもちゃんと師匠ポジション。このあとまだもうひと働きしてもらう予定で、コミカライズ用にアレンジした設定を調整する仕事で大活躍してもらってる感があります。さすが中の人がウチの葵ちゃんと同じなだけあり、キャラに助けられたような手応えです。

 蛾ヶ御前さまも、アレンジ展開にぴたりとはまる形で出てきたんで私もびっくりしたというか。半妖の里をオミットしたんなら出てこないと思うじゃないですか。作品に魂が入るとこういうことがよくあるので、いい仕事できてるんじゃないでしょうか。デザインは「御前(レディー)」と「蛾」を強調するためにちょっとだけ変更、台詞もガガさま寄りに(笑)。


 今回はもろはちゃんのウェイトが高めですが、このエピソードは戦いを通じて登場人物全員が一歩前に進む姿を描くのが狙いです。とわちゃんとせつなちゃんの詳細は次回に持ち越しとしたものの、とりあえずとわちゃんの夜叉スイッチが入るシーンは高橋留美子先生に喜んでもらえましたよ( ´∀`)bグッ!


 三姫だけでなく鋼牙アニキや弥勒夫妻にも見せ場をご用意していて、なのでヒキは「風穴」を持った敵との対峙としました。アニメ原作でも「まるで風穴だ」つってたし、いっそ風穴そのものにした方が、弥勒さまの心に巣くう迷いと正面対決できるだろうと。ページの都合でどこまで入るかわかんないけど、可能な限り全力で私のキャラ解釈をぶち込んでいく所存ですので、次回もご期待ください。


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