この物語はフィクションであり、実在のタワーとは以下略:サンデーS 2025/04月号2025/03/22



 最終決戦はアニメに合わせて某タワーです。アニメでは上層に広い足場があって、姫たちはそこに陣取ってます。調べたら実際にはそれらしい構造はありません。「劇中のは架空の建物で、デジタル地上波放送アンテナの上に足場がある」ということでご了承ください。

 東京・・じゃなく某ドーム球場のエピソードはカットしたものの、グーグルマップで確認したら首都高からドームが見える地点があったので、そこで一応ちらっと描写。ちなみにもろはのセリフ「穏やかじゃねえな」は声優さんとサンライズ作品に引っ掛けた小ネタです。ついでにどさくさに紛れてカメオ出演(?)の一刻館、実際のロケーションは当時高橋留美子先生が住んでた東長崎あたりのイメージだそうで、だとすると練馬から都心方面に攻撃が向いてる状況で出てくるのは本当はおかしい。とはいえ、高橋先生に怒られるかもしれないと思いながらも出さずにいられないという、私のこじらせたファン心理。

 地球をサッカーボール大とすると、月はテニスボールくらいで、軌道半径は7メートルほど。意外と離れてますね。でも宇宙のスケールでは別の小天体がその距離を通過するというのはニアミスもいいとこです。数百年の周期でそんなに接近するなら、何億年というスパンでは衝突不可避じゃないかって気もしますが、まあその辺はなんかこう、妖力とか天照大神の神通力でええ感じになってるんじゃないでしょうかね。「日本の上空に現れる」というのも霊的なカラクリで成立してると解釈し、妖霊星の設定はあのように。「だから所縁の截ち切りでどうにかなる」という理屈につなげました。

 決戦でのとわちゃんはやっぱ初期設定のスーツでないとあかんやろ・・ということで、車の中でお着替え。そしてコミカライズの流れなら「スーツ姿で戦う理玖」を描けることに気づきました(笑)。

 多少強引にではありますが、クライマックスにオールスターキャスト集結の準備も完了。なんとかアニメに近い流れで着地できそうです。ただ、コミカライズ版の珊瑚さまは妊娠3〜4ヶ月という設定なもんで、お腹はさほど目立ってないとはいえ、あんまり大暴れさせられないなあと。で、「漆黒の飛来骨」の代わりになる飛び道具を考えてみたんですが・・いま温めてるアイデアは文字通りの飛び道具というかちょっと反則に近いものなので、実際に絵にしてみないとアリかどうかまだよくわかりません。のでまあ、使うにしろ使わないにしろ、その詳細については次回。

 あ、そうそう、前回かごめの隣の布団で寝てたのは犬夜叉です。夫婦だから当然枕を並べて寝てる・・・と私は思って描いてたんですけど、あとで家族に「いやこれ、りんちゃんがそこにいるはずだったという描写にも見える」って言われて「あ」って(笑)。『犬夜叉』後の日常生活をさりげなく描写する貴重な機会だったのに、私としたことが。

機動戦士銀骨:サンデーS 2025/05月号2025/03/29



というわけで、アニメ版の「漆黒の飛来骨」に代わる珊瑚の武器は銀骨先輩ということにさせていただきました。正確には銀骨のガワだけですけど。

 七人隊についてはどこかでチラッとでも触れられないかとずっと考えてました。でも出すとキャラが立ちすぎて『夜叉姫』の物語の流れを壊しちゃうんで、私にはこれが限界でしたすいません。ファンが期待するのは銀骨じゃないだろうとは思うものの(笑)、彼らとの戦いがあったというあの世界の過去に触れつつ、退治屋ならありそうな設定でのカメオ出演にはなったかなと。

 実は数話前とわたちが理玖を追って現代に戻るとき、時空の裂け目で道に迷って過去に行ってしまい『犬夜叉』の世界にちょこっと乱入しちゃうってアイデアもあって。(それなら七人隊も含めていろんな過去キャラが出せるぞ)(なんなら過去の両親と絡んでバック・トゥ・ザ・フューチャーごっこもできる)(最後は神無が鏡で誘導してくれて未来に戻る)とか二次創作の夢が広がって一瞬ワクワクしたんですけどね。でもこのコミカライズはあくまでアニメ『半妖の夜叉姫』をベースに、漫画としてコンパクトに再構成するのが任務です。アニメの放送終わってけっこう経ちますし、まっすぐ結末に向かわずにそんな面白すぎる寄り道してる場合じゃねえだろうということで断念。

 二つの時代・複数の場所での戦いが重ね合わせでひとつになるというプロットは物語のショートカットとしては悪くないと思うんですが、実際描いてみたら場面転換するたびにその説明でモタついてテンポが悪くなると気づき、ネームには苦労しました。妖霊星の視点でわけもわからず一方的に次々殴られるって切り口を思いついてギリどうにかなった感じです。りんちゃんにも活躍して欲しかったので彼女の狙撃を最後に持ってきて、それがダメ押しになったかのように印象操作。実際にはたぶん銀骨砲が致命傷なんですけど(笑)。犬夜叉とかごめ、本家主人公コンビの連携攻撃を描けたのも嬉しかったな。

 そんなこんなで高橋留美子先生からは「勢いがあって面白かったですよ」とのお言葉をいただいて、最後の難所・オールスター登場クライマックスお祭りバトルイベントをなんとかクリア。次回は殺生丸と麒麟丸の関係の決着となります。

「ディティールを再構築して別物になりつつも、枠組みはアニメとの相似形を保った物語」をラストシーンまで貫けそうです。