『半妖の夜叉姫』には時代樹役で特別出演の桔梗お姉さま、おそらく今回で出番は終了です。キャラは俳優さんと違い、契約でスケジュールが決まっているわけではないので、その気になればいつでも呼び出せます。だから物語上の役割が終わってもたとえば回想シーンで登場したりすることはあると思うんですけど、漫画を描いているとときどき「あ、この子はもう登場しないな」っていう手応えがあるケースがあります。
基本的にこの漫画のキャラクターたちはるーみっくワールドから一時的にウチの仕事場に来てもらってる子たちです。とはいえ、それでも描いてる間は私の中に存在してます。それがこのシーンのあとフッといなくなったので、これはきっと高橋留美子先生のとこに帰ったのでしょうね。執筆中の脳内では映画やドラマの撮影現場の「桔梗さん、オールアップです。お疲れ様でしたー!パチパチパチパチ」みたいな。
そういえば以前、かごめ役のゆきのさつきさんが『犬夜叉』収録当時のことを語ったインタビューで、ちょっと面白いエピソードを紹介してらして。ここでその詳細は書きませんけど、今回の劇中ではそれをちょっと擦りました(笑)。『犬夜叉』『らんま1/2』ファンにはよく知られた、楽しい中の人エピソード・・・まあわかる人だけ笑ってくれれば。
現代の東京をウロウロする夜叉姫を描くのはたいへん楽しかったです。もっと描写したかったけど、全体のバランスを考えるとこれ以上はページを割けなくてちょっと残念です。姫たちが休憩してたハンバーガー屋は『犬夜叉』でかごめちゃんがときどき寄っていたのと同じチェーン。ただし「都心を巡ったあと、帰宅するまでお腹が保たないのでちょっと軽食」という場面なので別の支店です。
アニメ冒頭に登場した「飛頭根」は「根の首」と共にここで投入。麒麟丸は未来での風車起動に備えて、資材と一緒にこの二種類の妖怪を安全な場所に埋蔵してたという設定です。いやほら、あいつら乾燥させると休眠状態で長期保存できそうじゃないですか(笑)。
マンションを襲った方の根の首は、水道設備に侵入してると想定してます。ということは退治しても修理が必要になって、あそこの住民困りますね。姫たちが日暮家とお別れするシーンのロケーションは神社であるべきなので、マンションに住めなくなった草太たちがしばらく日暮家で同居するという自然な流れになってちょうどいいかも。
りんちゃんが殺生丸に頼み事をされたのは『抱擁』で交わした会話のあと、とわたちのとこへ行く前です。ていうかそこしかタイミングがありませんね。読み返すと会話を切り上げたように見えてそうとも限らない感じではあるんで、そういうことにしましょう。
「理玖が姿を変えて、自分と出会う前のとわのそばにいた」設定は高橋留美子先生に喜んでもらえました。序盤に伏線を入れられるともっと良かったんですが、正直1話目を描いたときにはそこまで手が回らなかったのでやむなし。でもまあ『時をかける少女』『ある日どこかで』的な時間SFロマン風味を入れつつ終盤の構造がだいぶシンプルになって、なんとか10巻でまとめられそうです。