第一話完成2021/09/01




 第一話、完成しました。このブログは原稿がアップしたタイミングで、予告・宣伝をかねて原稿の1カットをアップしつつあれこれ書くというスタイルなんですが、今回は発売前のネタバレはしない方向で。

『夜叉姫』を私が描くという企画は、マッチング自体が話題として面白いと思います。「椎名高志が高橋留美子漫画を描く」って、私だって笑いますもん(笑)。まあ正確にはこれは「『犬夜叉』をベースに作ったオリジナルアニメ企画」なんですが。

 発表を見て興味を持ってくれた方々は「椎名センセイ具体的に何をどう料理してどう仕上げてくるのか」という期待と不安を抱いてくれてると思うんですよね。なので、実際に手にとってお読みいただく瞬間まで、それを味わってもらおうと(笑)。

 ネームをチェックしていただいた関係者の皆さんには好評で、高橋留美子先生にも褒めてもらえたので、出来は悪くないと思います。私の自己チェック機能はしょっちゅう壊れますが、高橋先生の基準で合格なら大丈夫(笑)。週刊よりは画面の方も腰を据えて描き込めました。期待してくれていい・・・んじゃないかな・・・たぶん。少なくとも、私にとっての「自分好みのコミカライズ」には仕上がりましたので、皆さんにも楽しんでいただけたらと思います。

 そんなわけで9/25頃発売の「週刊少年サンデー・S(スーパー)増刊」11月号を、もうしばらくお待ちくださいませ。

コミカライズ『半妖の夜叉姫』2021/08/20



 椎名高志の新作はまさかの高橋留美子作品(笑)! 

 ことの起こりはアニメ『夜叉姫』の放送開始の少し前。絶チルのまとめに入っていた私が「コミカライズやんないの? 誰も描く人いないんなら、わし絶チルのあと描くよ?」「また冗談をwww」という流れから、とうとう本当に許可をいただいちゃったという。つまり企画の言い出しっぺは私なのですが、最終段階では担当編集者に「じゃ、じゃあ本当に高橋先生とサンライズさんに持ってっちゃいますけど、いいんですね? ほ、本当に話しちゃっていいんですね?」と何度も念を押され、「お・・おう・・・? ま・・まあ、一応ほら、ダメ元で・・?」みたいな。

 高橋先生の最初の反応は「椎名さんが? 本気?」でしたね(笑)。絶チルを始めるときにも高橋留美子先生にはあれこれ相談に乗っていただき、たいへんお世話になりました。なのでコミカライズは恩返しの意味も・・・・ウソです単に私がやりたかっただけなので、ただのご褒美ですすいません。だって『犬夜叉』のスピンオフですよ? 描いてみたくない漫画家なんかいる?(笑) 

 とはいえ、実際にやるとなると『半妖の夜叉姫』は『犬夜叉』が土台ですので、まず高橋先生の意向があります。そしてサンライズさんのオリジナル作品ですから、佐藤照雄監督指揮のもと、シリーズ構成の隅沢克之さんが様々な制約の中で立ち上げた世界でもあり、そちらも作品に対するこだわりや思惑があります。そこに私が何か新しいもの、私という作家が関わることの意味を持ち込むことができるのか。もし可能であったとしても、権利者のみなさんにどこまで許してもらえるのか・・・というところでちょっと迷いはあったのですが。
 しかしそんな心配は杞憂で、私が考えたアレンジ案のあれこれをお話ししたところ、「ほとんどそのまま自由に、椎名さんの作品として進めてかまわない」と快諾していただけました。

 結果として出来上がったものがどうなのか、これはもう読者に判断をお任せするしかなく、『犬夜叉』『夜叉姫』の関係者とファンのみなさんが気に入ってくれることをひたすら祈るばかりです。がんばって描いてるし、いまんとこ悪くない出来だと思うんですけどね・・・でも・・・コケたことありますし・・・いやいや・・・まあ、ここまできたらもうしょうがないっていうか(新連載前に毎回なるやつ)。

 そんなわけで椎名高志の描く『半妖の夜叉姫』、何をどう料理してどう仕上がったのか、サンデーS増刊・2021年11月号(9/25頃発売)からの連載をどうぞお楽しみに!
アニメ『半妖の夜叉姫』第2期もいよいよ始まります。併せてよろしくお願いします!
 
 そして『絶対可憐チルドレン』ついに完結の最新63巻は2021年9/17頃解禁です! 今回はおまけではなく本編の方に加筆、雑誌掲載時にはなかったシーンがある「エクステンデッド・エディション(笑)」です。買ってね!!



未来をいま超えよう:週刊少年サンデー2021年/33号2021/07/01



今回は原稿のリークは避けて、以前に描いた単行本の表紙です。

最終話、先ほどアップしました。

案の定「終わった・・!」という実感はありませんね。まだ単行本作業もあるし、進行がギリギリだったし、最終話で増ページもらったのはいいけどいつものリズムが崩れ、描いても描いても終わらないような感じだったし、このあと慌ただしく取材旅行だし、描き終えたあとめっちゃ時間あるような気がしてたのに、スケジュール確認したら次の予定もけっこうタイトなんで、すぐ次の準備始めなきゃだし・・・この商売、いつもそんなもんです(笑)。

1巻で描いた未来予知というのは、あくまでも「無限の可能性があるからこそ危なっかしい子供たち」「時空を超えてこんがらかった運命」という主題をあらわすシーンであって、まさか本当にそこに至るまでの・・・というか阻止するまでの時間の経過を描くことになるとは思ってませんでした。なので小学生編のラストを描いたときには「やっちまった・・この先はもう本当に全部描くしかないぞ・・行けるのかそんなとこまで・・?」という(笑)。

才能と技術と体力に限りがあるため、いろいろと手が回らなかったり至らなかった部分はあるものの、とにもかくにも十数年前にぼんやりイメージしたラストシーンにまでたどり着けて、ホッとはしてます。あとはみなさんがこの物語と結末を気に入ってくれることを祈るばかりです。

悔いが残ってるのは、本当ならアニメやってる時期に本誌連載と平行して「バッド・エンド編」とか「超能部隊編・完全版」とかもやりたかったなあと。本編での超能部隊は、全員が死ぬとこを描くと本筋が間延びしすぎるという判断で、だいぶ省略しちゃいましたしね。いま『名探偵コナン』がそういうのをきっちりやってるんで、ちょっと悔しい(笑)。まー私の生産能力ではキャラの日常を補完する4コマを追加するのが限界で、あれをやっただけでもかなりHP・MPがすり減りました。終盤は三週ごとに休ませてもらい、それでなんとか壊れずに最後までやれた次第です。いつかまた機会があれば描きたいとは思っていますが・・・しばらくぶりに絶チルを描く機会が来たとしても、ザ・チルドレンが出てこない上に登場人物が次々死んでいく話はたぶん優先度低いと思われますすいません。


 私は大勢の方に楽しんでもらえるよう、自分にできる限り間口を広くしようとはしているのですが、本質的には読者を選ぶようなものばかり描いている気がします。なので、美神にしろジパングにしろこの絶チルにしろ、気に入ってくださったみなさんは私とかなり感性の似た、選ばれし精鋭の方々ではないかと思っているのですが・・どうなんでしょうね(笑)。リアルタイムで拙作におつきあいいただき、最後までチルドレンや兵部たちを愛してくださったみなさまにおかれましては、本当に、本当にありがとうございました。

私の中にいるキャラクターたちも、みなさまに感謝と愛情を伝えてくれとのことです。架空の存在の彼らですが、私にとってはもうすっかり命を持った友人・家族です。そして心の片隅で愛してくれている間は、みなさんの中でも彼らは生き続けることができます。漫画というのはどんどん消費され忘れられていく安価な娯楽ではありますが、読者の心の本棚にしまわれて、時間が経ってもまたザ・チルドレンたちの冒険と成長を読み返して楽しんでもらえる日があるなら、私にもキャラクターたちにもこれ以上の喜びはありません。

 そんなわけで・・・最終話がみなさんのお手元に届くまでまだ時間があるし、私も単行本作業が残ってますが、とりあえずお疲れ様でした! 『絶対可憐チルドレン』最終話(第615話)LAST SENSE<絶対可憐>は7/14ごろ発売の週刊少年サンデー33号掲載です。

私は気持ちの整理と切り替えもかねて、これからひとりで弾丸取材旅行に行ってきます。どこで何やってんのかはどうせ毎日無駄にツイッターにつぶやくと思いますし、今後の動向についても近日ご報告する予定ですので、ひきつづきよろしくです(´∀`*)ノシ



次号、最終回!:週刊少年サンデー2021年/32号2021/06/25



あと一話です。本当ならもう最後まで描き終わってないといけないのですが、単行本作業とかカラーとかに手を取られて入稿が周回遅れのギリギリなため、明日から最終話の作業です。いちおうネームは先に完成させてるんで、最終話が雑誌掲載に間に合わなくて落ちるということはないと思います・・・たぶん。関係各所のみなさまにはご迷惑をおかけしておりますが、最後ですので何卒よろしくお願いします。

絶チルとお別れするという実感は、まだあまりありません。長いこと毎日、寝ても覚めても家族同然につきあってきたキャラクターをもう描かなくなるわけですから、作者が一番作品ロスに陥ってもおかしくないと思います。でも私の場合、週刊連載は4本やりましたけど、どの連載もだいたいスケジュールはバタバタで、さらに最終話ともなると作画カロリー計算が普段よりも甘くなることもあり、あまり噛みしめるヒマもないのが通例というか。そして雑誌連載が終わってもまだ単行本用の作業などもあり、でもまあ連載中はなかなかできないような時間の使い方をしてわーっと遊び、気づいたら次の仕事の準備が切羽詰まっていたりなんかして、作品ロスとかなってる場合じゃなく新たな修羅場に突入してるという(笑)。

それと、キャラクターと長く深くつきあうと、もうなんか描いてても描いてなくても、彼らは心の中に実在の人物みたくずっと存在するんですよ。美神や横島やおキヌ、信長や日吉なんかは当たり前に今もずっと一緒にいます。カナタだってちゃんといますよ・・・じゃっかん他のキャラより影は薄いですが(笑)。そんなわけで私自身はあんまり湿っぽい気分にはなってない感じです。

ただし、絶チルのキャラクターたち、とくにザ・チルドレンは、劇中でどんどん成長して変化していく子たちです。ずっと小学生の姿と言動のまま十数年つきあったのなら、もうめっちゃ不滅の存在として私の中で生き続けるのでしょうけど、ひょっとしたら作品として出力されていない間にも、成長と変化は続くかもしれません。それはそれで楽しみなような、ちょっと寂しいような。

まあとにかく、明日から数日間、チルドレンたちとの最後のセッションに挑みます。あとのことは最終話を間に合わせてから考えましょう。

長編の最後に来る日常パートは割と好き:週刊少年サンデー2021年/30号2021/06/12



 別にバトルものではない漫画でも、長期連載のクライマックスにはかなり非日常が入ってくるものじゃないでしょうか。で、それが終わったあとまた日常に戻るんだけど、もうあんまりページ数はないので読んでるとちょっとドキドキする的な。作品の中でもごく限られた時期にだけ味わえるレアな部分です。牛肉でいったらテールみたいなもんでしょうか。違うかな(笑)。


 さて、絶チルにしろ美神にしろ、売れてないわけではぜんぜんないけども、「大ヒット」かというとそうではないと思うのですよ。もちろんこんだけ長期連載させてもらえる作品ってのはそんなにないし、アニメにしてもらったりイベントやってもらったりしてるわけですから、ヒットには違いないし、卑下する必要はまったくないと思いますけども。むしろ卑下したら怒られます。とはいえ、進撃するアレとか鬼滅するアレとか、問答無用の大ヒット作がどーんとフィナーレを迎えた同じ時期、それとは違って静かに終わるのも確かなわけで。

刺さる人にだけ刺さってもらえればそれでいいと思って描いた作品が、多くの人に支持してもらえて、こんだけ長く連載して、終わるということでちょっと話題になって、本来ならお客さんじゃない人たちの耳にまで入って、「絶チルまだやってたの草」とか言われても、それは光栄なことなので別に怒りませ・・・草が生える必要あんのか(草)。

 いやまあね、そういうものだし別にいいんです。たとえば先日、萩尾望都先生がパーティーにいらしたことがネットで話題になってて、それ見た人が「萩尾先生ってまだ描いてたんだー」とか無邪気に言ってて「めちゃめちゃ描いてらっしゃるっちゅうねん。傑作を発表してらっしゃるっちゅうねん。アンテナにひっかかってなかったのは、単に受信範囲が狭いからやっちゅうねん」と思ったんですけどね。漫画界の至宝である萩尾先生ですらそんなですからね。私ごときはむしろ光栄に・・・・までは無理なので、もう忘れましょうね(笑)。

 私は他の作品を読むだけでは満たされない何かを埋めるために、自分の漫画を描いてるとこあります。どんな傑作でも、他人が描いたものである以上100%は満たしてくれませんから。そんな私の作品をかけがえなく思ってくれる読者がいたら、それはたぶん私が自分の心を埋めようとした何かが、その人の心の隙間にも合致したということです。そんな風に刺さってくれた人が何人かいてくれただけでも、私は漫画家になって良かったと思ってます。これはわりと本当。

 まーでも、国民的大ヒットもいっぺん描いてみたいですよね! 経済的にも承認欲求的にも、必要以上に満たされてみたいですよね!

 たぶん「万人に受けよう」と思ってできるモノではないだろうなとは思ってるんですけど。同じように「刺さる人にだけ刺さってくれれば」って描いて、それがものすごい数の人に刺さったという特別な作品だけがそこに行けるんじゃないかなって気が・・・いや、まだそんなことを考えてる場合じゃないですね。絶チルのラストシーンまであと少し、限られたページ数できちんと締められるよう全力を尽くします。

椎名センセイの次回作は、今作が終わった後でお楽しみに!