未来をいま超えよう:週刊少年サンデー2021年/33号2021/07/01



今回は原稿のリークは避けて、以前に描いた単行本の表紙です。

最終話、先ほどアップしました。

案の定「終わった・・!」という実感はありませんね。まだ単行本作業もあるし、進行がギリギリだったし、最終話で増ページもらったのはいいけどいつものリズムが崩れ、描いても描いても終わらないような感じだったし、このあと慌ただしく取材旅行だし、描き終えたあとめっちゃ時間あるような気がしてたのに、スケジュール確認したら次の予定もけっこうタイトなんで、すぐ次の準備始めなきゃだし・・・この商売、いつもそんなもんです(笑)。

1巻で描いた未来予知というのは、あくまでも「無限の可能性があるからこそ危なっかしい子供たち」「時空を超えてこんがらかった運命」という主題をあらわすシーンであって、まさか本当にそこに至るまでの・・・というか阻止するまでの時間の経過を描くことになるとは思ってませんでした。なので小学生編のラストを描いたときには「やっちまった・・この先はもう本当に全部描くしかないぞ・・行けるのかそんなとこまで・・?」という(笑)。

才能と技術と体力に限りがあるため、いろいろと手が回らなかったり至らなかった部分はあるものの、とにもかくにも十数年前にぼんやりイメージしたラストシーンにまでたどり着けて、ホッとはしてます。あとはみなさんがこの物語と結末を気に入ってくれることを祈るばかりです。

悔いが残ってるのは、本当ならアニメやってる時期に本誌連載と平行して「バッド・エンド編」とか「超能部隊編・完全版」とかもやりたかったなあと。本編での超能部隊は、全員が死ぬとこを描くと本筋が間延びしすぎるという判断で、だいぶ省略しちゃいましたしね。いま『名探偵コナン』がそういうのをきっちりやってるんで、ちょっと悔しい(笑)。まー私の生産能力ではキャラの日常を補完する4コマを追加するのが限界で、あれをやっただけでもかなりHP・MPがすり減りました。終盤は三週ごとに休ませてもらい、それでなんとか壊れずに最後までやれた次第です。いつかまた機会があれば描きたいとは思っていますが・・・しばらくぶりに絶チルを描く機会が来たとしても、ザ・チルドレンが出てこない上に登場人物が次々死んでいく話はたぶん優先度低いと思われますすいません。


 私は大勢の方に楽しんでもらえるよう、自分にできる限り間口を広くしようとはしているのですが、本質的には読者を選ぶようなものばかり描いている気がします。なので、美神にしろジパングにしろこの絶チルにしろ、気に入ってくださったみなさんは私とかなり感性の似た、選ばれし精鋭の方々ではないかと思っているのですが・・どうなんでしょうね(笑)。リアルタイムで拙作におつきあいいただき、最後までチルドレンや兵部たちを愛してくださったみなさまにおかれましては、本当に、本当にありがとうございました。

私の中にいるキャラクターたちも、みなさまに感謝と愛情を伝えてくれとのことです。架空の存在の彼らですが、私にとってはもうすっかり命を持った友人・家族です。そして心の片隅で愛してくれている間は、みなさんの中でも彼らは生き続けることができます。漫画というのはどんどん消費され忘れられていく安価な娯楽ではありますが、読者の心の本棚にしまわれて、時間が経ってもまたザ・チルドレンたちの冒険と成長を読み返して楽しんでもらえる日があるなら、私にもキャラクターたちにもこれ以上の喜びはありません。

 そんなわけで・・・最終話がみなさんのお手元に届くまでまだ時間があるし、私も単行本作業が残ってますが、とりあえずお疲れ様でした! 『絶対可憐チルドレン』最終話(第615話)LAST SENSE<絶対可憐>は7/14ごろ発売の週刊少年サンデー33号掲載です。

私は気持ちの整理と切り替えもかねて、これからひとりで弾丸取材旅行に行ってきます。どこで何やってんのかはどうせ毎日無駄にツイッターにつぶやくと思いますし、今後の動向についても近日ご報告する予定ですので、ひきつづきよろしくです(´∀`*)ノシ