機動戦士銀骨:サンデーS 2025/05月号 ― 2025/03/29
というわけで、アニメ版の「漆黒の飛来骨」に代わる珊瑚の武器は銀骨先輩ということにさせていただきました。正確には銀骨のガワだけですけど。
七人隊についてはどこかでチラッとでも触れられないかとずっと考えてました。でも出すとキャラが立ちすぎて『夜叉姫』の物語の流れを壊しちゃうんで、私にはこれが限界でしたすいません。ファンが期待するのは銀骨じゃないだろうとは思うものの(笑)、彼らとの戦いがあったというあの世界の過去に触れつつ、退治屋ならありそうな設定でのカメオ出演にはなったかなと。
実は数話前とわたちが理玖を追って現代に戻るとき、時空の裂け目で道に迷って過去に行ってしまい『犬夜叉』の世界にちょこっと乱入しちゃうってアイデアもあって。(それなら七人隊も含めていろんな過去キャラが出せるぞ)(なんなら過去の両親と絡んでバック・トゥ・ザ・フューチャーごっこもできる)(最後は神無が鏡で誘導してくれて未来に戻る)とか二次創作の夢が広がって一瞬ワクワクしたんですけどね。でもこのコミカライズはあくまでアニメ『半妖の夜叉姫』をベースに、漫画としてコンパクトに再構成するのが任務です。アニメの放送終わってけっこう経ちますし、まっすぐ結末に向かわずにそんな面白すぎる寄り道してる場合じゃねえだろうということで断念。
二つの時代・複数の場所での戦いが重ね合わせでひとつになるというプロットは物語のショートカットとしては悪くないと思うんですが、実際描いてみたら場面転換するたびにその説明でモタついてテンポが悪くなると気づき、ネームには苦労しました。妖霊星の視点でわけもわからず一方的に次々殴られるって切り口を思いついてギリどうにかなった感じです。りんちゃんにも活躍して欲しかったので彼女の狙撃を最後に持ってきて、それがダメ押しになったかのように印象操作。実際にはたぶん銀骨砲が致命傷なんですけど(笑)。犬夜叉とかごめ、本家主人公コンビの連携攻撃を描けたのも嬉しかったな。
そんなこんなで高橋留美子先生からは「勢いがあって面白かったですよ」とのお言葉をいただいて、最後の難所・オールスター登場クライマックスお祭りバトルイベントをなんとかクリア。次回は殺生丸と麒麟丸の関係の決着となります。
「ディティールを再構築して別物になりつつも、枠組みはアニメとの相似形を保った物語」をラストシーンまで貫けそうです。