この果てしないチルドレン坂を・・ :週刊少年サンデー14/13号2014/02/27

中高一貫校なので、本番は高等部の卒業式なのです。


お疲れ様でした! 絶対可憐チルドレン< 中学生編>完結です!!


この漫画、常に「大人の中の子供・子供の中の大人」みたいなものを主題に描いてますが、中学生といえばそのあたりが一番こじれるお年頃。なので、中学生編の真の・・・つーか裏の主人公は、実は兵部と悠理の二人でした。この漫画においては、彼らがその代表だからです。


彼らの抱える問題にどう決着をつけるかは、それが現実の何を象徴しているのかを考えると、なかなかデリケートで難しい問題でした。だもんでまー、竹を割ったようなわかりやすい話にはできませんでしたが、それなりの落とし所で、前向きで健全な解答を示たのではないかなあと思ってます。

 悠理ちゃんがチルドレンの友達になるところから始まり、そのふれあいを通じて成長し、立ち直るプロセスにからむことで兵部の中にも変化が起こり、悠理ちゃんが新しい道を進むことを決意して終わる・・・・ほぼ最初に計画した通りの流れで最後まで描ききることができました。


さて、そんなわけで次回から高校生編。伊号が予知し、フェザーが体験したバッドエンド時空からルートが逸れて、「未来の向こう側」に行く物語となります。これまでの主題は残しつつも、この先は子供ではなく若者の物語として描く予定です。 そしてこれが絶チルの最終章、ラストスパートですので 、よろしくおつきあいください!


--------------と、勢いよくこのまま始めたいところではあるのですが、その前にしばらく休養をいただきます。ちょっといろいろあったこともあり、心身ともにかなりバテてるもんで。

  まだちょこちょこ仕事の残りや雑用を片付けてはいますが、すでにリフレッシュモードに突入、現在はスタッフ慰安旅行で札幌に遊びに行って、いまこの文章は帰りの寝台特急カシオペア号の個室で書いているという。ドラマに出てくる作家みたいでちょっとカッコイイ。

 ただね、ものすごく楽しみにして予約したんですけど、よく考えたらせっかくの旅行の日程のうち十数時間を狭い車内に閉じこもるってのはどうなんでしょうね。仕事で疲れ切ってるときにはそれが一番いいリフレッシュになりそうな気がしたのですが、むさくるしい男同士で狭い個室に閉じこもってすでに12時間以上。早く仕事場に戻って漫画描きたいような気がしてきた・・・・ような気がしないでもないので、まあこれはこれで結果的にはいいか。次は北斗星とサンライズに乗りたいです。できれば女子と。

 というわけで、とりあえず最低でも1~2ヶ月は仕事を一切入れずに体力の増強とストレスの解消につとめ、夏を目処に再開予定の高校生編に備えます。それまでは大柿ロクロウ先生の『THE UNLIMITED兵部京介』コミカライズをよろしくおねがいしますね。



Blu-ray最終巻ついにリリース!! :週刊少年サンデー13/44号2013/09/26

『THE UNLIMITED兵部京介』DVD・Blu-ray、ついに完結!! ユウギリを取り戻すべく「あの男」との対決に向かった兵部とアンディの行く手に待つものは・・・!?
限定版には遊佐浩二さん演じる兵部京介の、録りおろし特典CDつき!!
スタッフが倒れるまで全力を尽くしたアンリミの世界を、高画質で一気見しよう!!

 


・・いやもーマジで、最後の最後になって五十嵐監督とたかぎさん倒れちゃいましたから。やっぱね、仕事は仕事なので、「ぶっ倒れるまで」ってのはものの例えとか気構えの問題であって、最終的には体は守らんといかんと思います。だからホント、この作品に限らず、業界のみなさんは体を大事にしてください。

 そういう私もアニメではさして活躍していないにもかかわらず、放送終了以来かなりヘロヘロ。「ウチで個人的な打ち上げやりましょう」と言いつつ、進行がガタガタでまったく遊びに行ったりできず、他にも各方面に不義理が続いている状況です、すいません。

 最終巻がリリースされて、あらためて全話見返すと、このアニメの兵部はかなり張り詰めている奴なんで、「大人になっても中二の心を失わずこの業界にいる我々は、あいつに半年も入れ込めばそりゃなんとなく感情がシンクロして消耗するわ」って思います。でも遊佐さんの声が入ると、どうしても放っておけない気に・・・・というわけでざっくりと、主に遊佐さんの名演技で関係者はアンリミテッドしちゃったという結論でよろしいですか。


 制作関係者全員とファンのみなさんのおかげで、兵部は当初私が生み出したときよりもはるかに深みがあって魅力のあるキャラになりました。ありがとうございます。アニメでみなさんが加えてくれた解釈も踏まえつつ、今後とも兵部を育てて行く所存です。

 大柿ロクロウ先生のコミカライズは第三話が始まったところで、新解釈を加えつつまだまだ続きますんで、そちらの方もよろしくお願いします!


 
 






 さて、執筆の際、私は無意識レベルで考えてることを大事にしてます。経験上、その方が頭で考えるよりも深いとこに到達できたり、キャラクターに血肉が通うことが多いので。

 で、アニメの企画が動き出したのに呼応して本編から兵部がいなくなったので、「あーこりゃアンリミの方に行っちゃったかもしれないな」と思ってました。「てことは、そっちが終わるタイミングで復活するだろう」と予測してたらその通りになったので、まーこれはもちろん私が心の中でそう思って動かしてたからなんでしょうけど、表層思考とは切り離してる部分が多いので、自分でもちょっと不思議で。

 今週は特にBlu-ray最終巻が発売されることもあり、兵部がどういう言動をとるのかなーと思いながらネーム切ってたら・・・・・・アンリミのとあるシーンのアンサーじゃないのかな、これ。「あんときあっちの世界ではやられたから、本編ではやり返す」的な。というわけで来週号発売までにアンリミのアニメ買ってあらためて見ておくように。これはセンセイからではなく、センセイの無意識に棲む兵部少佐からの命令・・・・・かもしれない


君の心の片隅で輝く星になりたい :週刊少年サンデー13/39号2013/08/17


 『絶対可憐チルドレン』単行本最新第35巻、大柿ロクロウ先生執筆のコミカライズ『THE UNLIMITED 兵部京介』待望の第一巻、8/16頃発売!
 Blu-ray『THE UNLIMITED 兵部京介』も順次発売中です♪

 それから、現在東京タワーで開催されている藤子・F・不二雄先生の「生誕80周年記念展」に、大勢の漫画家に混じって私の描いた色紙も展示中です。詳細はこちら

 ちなみにワタシはザ・チルドレンの制服を着て薫たちと一緒にいる魔美ちゃんを描きました。ワタシにしては結構似せて描けたと思うのですが、それだと他人が描く面白さがあまりないような気がします。本当なら俺解釈にアレンジした画風で描く方が正解ではないかと思いつつ、しかし年季の入ったF信者なので、あの絶妙なバランスが好きで好きで。ネームも絵も、シンプルなのに選び抜かれた完璧な配置と部品構成・・・それがF先生クォリティー。

 さて、告知事項はこんなもんですかね。

 力尽きてるところに身内の不幸があったりなんかして、お盆進行まで完全なデスマーチ。非常事態を抜けるまで4コマは休止、ここの更新もけっこう時間とエネルギーを食うのであえてサボり続けてました。

 で、間が空くと、なかなかブログにくだらないことが書きづらい。たとえば「便器の蓋を開けて、ふりかえって下半身を露出してスタンバイしてる間に背後でその蓋がそーっと下がってきてて、さあうんこしようと意気揚々と座ろうとした瞬間、45度の角度になってた蓋の先端が尻を突き飛ばした」とかは、ツイッターではそのまま書けばいいのですが、ブログだとそれなりの構成で作文して芸にする必要があります。けっこうめんどくさいです。いやまあ別に笑いを取るのがここの主旨ではないのですが、このご時世、なるべくならならアホらしくて楽しい情報を発信する人でいたいなあと。

 問題意識を持つことは大事ですが、世の中は放っておいても暗くて面白くない話題には事欠かないわけで、どうしても言いたいとき以外はそっちに一票を投じることは極力避けたい。日常には本当はくだらなくてほっこりする小さな出来事がたくさんあるのに、我々はついつい行ったこともない場所で会ったこともない人が引き起こすイヤな事件に注目して、それを拡散したりムツカシイことを言いたくなっちゃいます。くだらない楽しい話題をひとつ提供することは・・・・・・あ、ほらなんかまためんどくさい話に。


 そんなわけでこの文章書くのにも丸二日かかってますからね。アンリミの兵部少佐が最後の力を振り絞り力尽きて海に落ちたときはアンディが叫びながら海に飛び込んでくれたけど、気力を振り絞って必死に尻と便座の話を書いて笑いを取り、そのまま力尽きて壊れても気まずいと思われるので、しばらく無理はやめます。

だんだんワルになりつつある京介くん :週刊少年サンデー13/27号2013/05/28

しばらくブログの更新休んでました。

 「アニメが終わって燃え尽きたんだろう」とかきいたふうなこと言われるのがあまり好きではないので言いますが、違います。アニメ放送前にすでに燃え尽きていたのですが、アニメの宣伝や援護をしたいので放送終わるまではがんばってたのです(`・ω・´)キリッ

 そして本編は仲間が初めて戦死する話で、描くのがつらかったんですわー。キャラが死ぬシーンってのはドラマの見せ場なので、手をつける前はけっこう楽しみにしてたんですが。


 今回兵部たちが参加した戦闘のモデルは「ニューギニア沖の戦い」です。 

●太平洋各地に拠点を確保した日本軍に対し、連合軍はいよいよ反撃を開始。重要拠点であるラバウル奪還のため、こっそり機動部隊を出動させる。しかし警戒中の日本軍偵察機があっさりそれを発見。
●とはいえ日本軍も機動部隊はよそに行ってて間に合いません。ラバウルに配備された戦闘機は燃料増槽が届いておらず、現場海域まで行けるのは一式攻撃機のみ。それも魚雷でなく対地攻撃用の爆弾を積んでの出撃。

●結果として日本軍攻撃隊は米軍の艦載機の返り討ちに遭い、爆弾は一発も命中させられず、ボコボコにやられました。が、発見された上に燃料を消耗したため、米機動部隊は作戦を中止して撤退。日本側は「大勝利」「敵空母大破」と、話を盛って発表。
●この数ヶ月後、日本の連合艦隊はミッドウェー海戦で壊滅的な打撃を受け、戦況は致命的に悪化。

 作戦としてはかなり無茶で、それでもなんとしても米機動部隊は撃退しなければいけないという状況だったわけで、日本軍のやられメカとして有名になる攻撃機に乗って出撃した乗組員の気持ちや最期の状況を想像すると、これもかなりつらいですね。米側の空母レキシントンものちに悲惨なことになります。

 一応絶チル時空は大筋では史実とリンクしてるとはいえ、例によってかなりテキトー・・・・・もとい大胆にアレンジしてるんで、あくまでも漫画内の出来事はフィクションです。ていうかそもそも超能部隊なんかいねえ。

 ただ私、コメリカ艦隊を発見した日本軍偵察機として、戦闘機を描いちゃいました。「燃料増槽がないため戦闘機は現場まで行けない」というのがあの状況のキモなので、テキトーとはいえこれは痛恨のミス。漫画内のなんちゃってウソ歴史なんだから二機分だけはあったという話にすりゃあいいような気もするんだけど、「ない」と説明してるわけだし、単行本収録の際には史実と同じ大型飛行艇に変更する予定。まあ、直したからといってそれで面白くなるとか読者が喜ぶとかそういうポイントでも全然ないのですが。

 とにかく超能部隊から初の戦死者が出たという、絶チル的にはここが大事。そしてちょっとだけアニメ『THE UNLIMITED兵部京介』をフィードバックしてみましたんで、アンリミで絶チルを知ったというみなさまもぜひ、原作漫画をよろしくお願いしますね!


 ちなみに発売中の絶対可憐チルドレン34巻限定版には、アニメキャストによるアンリミのCDドラマが付属しております。さらに29日にはDVD・ブルーレイ第3巻が発売! 音声解説は兵部役・遊佐浩二さんとユウギリ役・東山奈央さんだよ!

 
 


TVアニメ『THE UNLIMITED 兵部京介』 最終話: 未来へ -LΛST RESOLUTION-2013/03/30

『THE UNLIMITED 兵部京介』
公式サイトはこちら

 最後までおつきあいくださってありがとうございました!! 『THE UNLIMITED兵部京介』ついに完結です。

 始まるときには「なんかー、絵とか全然絶チルじゃないしいー」とか言ってくる子に、そんなことは完全に予想してたにも関わらずカッとなったものですが(笑)、そう言いつつもなんだかんだで気になって見てくれてたら、「これはこれで面白い」と思ってもらえたんじゃないですかね。物語というのは順当に追っていく以外にも、こういう仕掛けやバリエーションを味わうという変則的な楽しさもある―――それを知るきっかけになってもらえるといいな。私たちはこの企画を「面白い」と思って取り組んできたし、世の中そう思って作ってない作品なんかひとつもないのですよ。

 というわけで・・・・・いい作品になって良かった!! 大勢に気に入ってもらえてほっとした! もー本当に、これが言えるように祈り続けてました(笑)。

 たかぎさんのキャラデザインは魅力的なだけでなくめっちゃ効果的に作品コンセプトを体現してたし、五十嵐監督の感性と相まって、絶チル世界を新しい視点で描くことができたと思います。この挑戦を思いついて実行してくれた松田プロデューサー、美しい構成を作ってくれた猪爪さん、いい絵を入れてくれたアニメーターのみなさん、脚本、演出、設定、作画、撮影、音響、制作進行等々、関わってくれた全ての皆さんに感謝です。

 準備・制作期間が短かったため、目指した完成度には及ばない部分もあったでしょうが、厳しい条件の中、本来よりもずっと高いところに行けた作品だったと私は思っております。頑張ってくれたスタッフのみなさんには拍手を贈りたい。本当にお疲れ様でした! 




 怒濤の全12話を経て、未来の大切さをを説く薫の言葉が、兵部を支えてきたキャラクターたちが、彼を少し変えました。このシリーズで兵部が体験したことは、彼の一部になったわけです。

 相手に赦しを与えて闇の世界から抜け出すほど兵部は大人にはなれないけれど、「あの男」を殺してしまえば兵部は憎悪という絆で永久に彼と結ばれてしまいます。生きたまま殺す―――復讐は成し遂げる、しかし憎悪という絆は断ち切る、そういう形で早乙女の歪んだ望みをかなえることなく、決着をつけることができたのです。彼を大切に思ってくれる人たちの思いを受け止めること、自分以上にあの日のまま時間が止まっているあの男の醜さへの哀れみで、執着からちょっとだけ自由になれたんですね。


 ヒノミヤのその後については、どー考えても彼がこの後二度と兵部やユウギリと会わないということはないでしょう。描かれるかどうかは別として、彼らの次の冒険は必ずあるはずです。
 とはいえ、ヒノミヤは絶チル世界の外からやってきて、兵部を理解し、助け、超能力を使い切って、今は役目を終えました。使命を全力で果たしたヒノミヤの気持ちはどこかさっぱりして明るく自由で前向きですが、兵部は一度自分が受け入れた人間に別れを言うのもそれを惜しむのも嫌い。別れのシーンはあいつらしくて切ないですね。去っていくヒノミヤに子供みたいに傷ついて、でもそれを見せたくないという。寂しがってるのが見え見えなんだけど(笑)。

 守られるだけの存在だったユウギリは、自分にとって大切な物のために戦う一歩を踏み出しました。彼女はこのあともパンドラと行動を共にしますが・・・・原作本編にいないのは、コレミツなんかと一緒に、虐待されてる他の子供を救うため世界中を回ってるんじゃないかなあ。ソフィー王女は「黒い幽霊」のクローン施設見たあと、やつらと戦うために手を汚す決意をしたかもしんない。人身売買組織壊滅のための特殊部隊とか組織しちゃったりしてね。で、ユウギリはパンドラからそこに出向してる、ってのもアリですかね。そこにはヒノミヤもいるかもしれない。てか、そんな気がしてきた。そしてユウギリのピンチに彼の左目が復活・・・・仕事じゃないとスラスラ出てくるぞ(笑)。


  帰国する皆本たちを迎えるのはチルドレン。「物語がまた彼女たちのところに戻ってきた」というラストです。おそらく始まったときにみなさんが思っていたよりもはるかに、絶チルという文脈に正しく沿ったルートだったのではないでしょうか。目的地不明で始まり、ポイントごとに驚きがあり、謎が解け、ゴールしてみればその道筋も目的地も絶チルとしての必然だったとわかる、そんな構成の物語。私が始めに「兵部京介という男の謎をヒノミヤが解いていくのと同時に、『UNLIMITED』という企画の謎を視聴者にも解いてもらう」と言ったのはそういうわけでした。



 そんなわけでもう一度、みなさんありがとうございました! 最後のニコ生をみんなと見てて、コメントでちょっと泣きそうでした。スタッフもキャストも、みなさんが楽しんでくれたことで努力と苦労が報われたと思います。

 しかし俺たちの戦いはまだこれからだ! 具体的にはみなさんのお小遣いによるソフト売り上げに期待してます(具体的すぎる)。イベントも準備中ですので、ぜひ参加してくださいね!

 次のアニメがあるのか、実現したとしてそれは絶チル2期なのか、『兵部京介2』なのか『賢木修二』なのかは今は誰にもわかりませんが、その日が来るよう祈って執筆を続けます。個人的には前作の前日譚を描く「チルドレン結成編」とかにもワクワクしますね。めっちゃ可愛く幼児を演じる平野さん戸松さん白石さんが目に浮かぶわー(*´Д`)。
 そんな<レベルの向こう側の、遙かな未来>の夢を見つつ、三ヶ月おつきあいいただいたTVアニメ『THE UNLIMITED兵部京介』ブログ解説を終わりたいと思います。お疲れ様でしたー!




 <おまけ>
 最終回を見ながらなんとなくチラ裏にラクガキしてた、左目に眼帯をしている謎の男と、アホ毛のある少女。エンディングの7~10年後くらいでしょうか。7年なら絶チル本編のラストにギリギリ間に合いますね(^_^)v

 

TVアニメ『THE UNLIMITED 兵部京介』 第十一話: 嵐の中のふたり -OUTLAWS-2013/03/23

『THE UNLIMITED 兵部京介』
公式サイトはこちら

 残りあと一話です。1クールはやはり短いなあと思いますが、この調子で2クールやったらスタッフがたぶん死ぬので、今回の制作体制ではこの辺が限界だと思います。私自身が中・短編が好きな体質なので、このくらいの分量でピリっとした作品はたいへん嬉しいです。・・・・まあもちろん収入的には長ければ長いほどウェルカムなのですが



 さて、最終回へ向けての最後の仕込みの回なわけですが、今回の見所はサイケOP日本刀持ってる兵部ですね! 

 日本刀登場の影には「学ランで銀髪で超能力者で永遠の少年で・・・・あと足りないのは日本刀ですよ!」と最後まで主張し続けた原作者がいたようないなかったような。9話のエネルギーソードでかなり気は済んでたのですが、でもやっぱり似合うよね(笑)。

 サイケOPは「サイケwwwwそれがNYクォリティwwww」と爆笑しました。いやカッコイイし笑うトコじゃないんだけど、スタッフのモチベーションの高さと仕込みが嬉し楽しくて、OPとEDは毎回アレンジがあるたびに笑うという。かなりの手間と労力だと思うので、マジでご苦労様です。ホント毎回楽しませていただきました。

 ちなみに「地名・国名は変えているはずなのになんで<ニューヨーク>はそのままなんですか」って気になる人がいるようですが、別にいいじゃねえか。東京だって東京だし。
 都市名は元々原作で「ニューヨーク」として登場してて、国名だけ「コメリカ合衆国」になってたんですが、アニメに「ロビエト連邦」というのが登場したのを受けて、その後どんどん悪ノリして固有名がアレなことになったという経緯があります。あとNY暴動は原作バッドエンドのクライマックスに直結する事件なので、ギャグ色入るとどうかと思うし。いやでも前作アニメでは名前ちょっと変えてたっけかな・・・? ま、細けえことは気にすんな(笑)。


 ユウギリは原作に登場する死の商人「黒い幽霊(ブラック・ファントム)」製のクローンエスパー、そのプロトタイプです。ベースになったのはとある兄妹なのですが・・・・原作読者の方は<ユウギリ>という名前から、それが誰かはだいたいおわかりですね(笑)。多少の不整合はあるものの『UNLIMITED』は原作で描かれざる絶チルの一部であり、完全に地続きだったってことです。

 早乙女生存シナリオに関しては、おそらく原作漫画本編でやることはないと思います。でもそれは「あんな話はない」ということではなくて、原作のカメラが回ってないところで早乙女と兵部の二度目の対決があった可能性は充分にあります。ただアニメでやったことをあらためてもう一度漫画で描く必要はなかろうっていう。そもそも漫画の小学生編と中学生編のスキマに収まる外伝というコンセプトで、松田Pと猪爪さんが作った物語だし。
 ヒノミヤとユウギリの活躍の場は『UNLIMITED』の文脈の中にあるわけですから、彼らのファンには申し訳ないけれど原作漫画本編にがっつり登場する可能性は薄いと思われます。とはいえ私もあの子たちのことは他のキャラと同じように愛おしく思ってますので、いい機会があればゲストで登場したりしてもらえるといいなとは考えてます。もし絶チルのラストシーンに全キャラのカーテンコールがあるなら、そこにはヒノミヤとユウギリの姿も加えてやるつもりです。



 決戦の舞台は「過去との対決」を暗示する冷戦時代の兵器の墓場。絶体絶命な状況でのヒノミヤと兵部のやりとり、兵頭さんの書いた台詞には深みがあって素敵。意訳すると「他のことはともかく、お前にウソをついてたことだけが悔やまれる」「気にすんな、お前と会えてよかった」つってるわけで、いわばここがこの二人の関係の到達点。

 ただ正直、この回はディスク収録前にいくつか映像の修整案を私の方からも提出するつもり。特にあそこは二人の心象にピントを絞るべきで、背景の空間や時間を意識させちゃいかんと思うのですよ。具体的には「テレポート妨害チャフを振らせたのは兵部とヒノミヤを舞台演劇的空間に配置するためだったのに、空気読んで待ってる大量の戦闘ルンバ(通称)がパンフォーカスではっきり見切れちゃいかんだろう」という(笑)。

 まーぶっちゃけ制作サイドには台所事情というものがあります。そして私の仕事は「原作の良さを調整して取捨選択すること」次に「プロジェクトを支援すること」「イレギュラーな広報役」です。だからこの場で私が「あそこはちょっと・・」とか言うのは反則なんですけど、『UNLIMITED』は品質のアベレージが高く、ディスクの売り上げは今後のためにもひじょうに重要。だもんで今回はお客さんへの「品質上げるから期待してて」っていうアピールね。


 スタッフのこの作品への思い入れはOPのアレンジの数々なんかからもビンビン伝わりますが、先日の最終回アフレコでは「もうこれが最後だ・・!!」ってことで、最後の数分ギリギリまで関係者みんな粘って台詞の変更を考えたりして、役者さんたちに「なにやってんですかwww」と呆れられました(笑)。

 アンリミでは私も含めた関係者全員が、オリジナルの絶チルと兵部たちを「どこかに本当にある世界」と考えていたフシがあります。だからみんなで寄って集って自分のこだわりを込めつつ、でも「『THE UNLIMITED兵部京介』のあるべき姿」は自然に生まれた感じ。作品それ自体が最初から魂を持ってて、我々はそれをただ掘り出した、そんな感覚ですかね。
 もちろんそういう体制を作ったのはプロデューサーだし、脚本は毎回のたうちまわってたし、時間なくて現場は死屍累々ででも品質上げるために監督はかなり追い詰められてたし、作るの楽だったとかそういうことでは全然ないんですけど、作品そのものはとても幸福な子だったと思います。



 というわけで次回最終回!! 見てね!!