王様の命令は絶対可憐! :週刊少年サンデー12/11号2012/02/10

最新単行本29巻発売中です。薫ストラップフィギュアつき限定版もございますのでぜひお買い求めください。

   

さて、たまに登場人物の行く末について聞かれることがありますが、もちろんお答えできません。まだ先は長いし、そこら辺は一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。

 で、思うんですが、漫画の登場人物というのは必ずしも花道を通って退場できるキャラばかりではありませんし、出番の多い子も少ない子もいます。しかし、物語の中にそれぞれの居場所を与えられ、そこで輝くことができれば、それがキャラクターにとっての幸福だとワタシは考えてます。与えられた使命を果たすと言い換えてもいいと思います。彼らが作品世界の中で満たされるとか愛されるとか豊かになるとか死ぬとか生き残るとかいうことはあまり重要ではありません。

 映像化されたとき、担当の役者さんに「味のある、面白いいい役でしょう」と胸を張れるようなキャラであったなら、どんな端役でもそれは幸福な子ではないでしょうか。実際にアニメやドラマになるかどうかはともかく、そういうキャラであることが大事なのです。

 そして人生もそういうもんかもしれませんね。少なくともワタシは最期に「小さな役ですが、味がある面白い役でした」と言える生き方をしたいと思います。まあこの先「俺のことはいい!先に行け!」とか「犯人かもしれない奴と同じ部屋にいられるか!」とか「ククク・・・この俺こそが新世界の神!!」という役を振られる可能性もありますけどね。最後のはちょっと楽しそう。

それがi(アイ)でしょう ←うまいこと言った :週刊少年サンデー12/10号2012/02/02

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 さて、自分で書いておいてなんですが、「虚数空間」ってなんなんでしょうね(笑)。昔萩尾望都先生の『百億の昼と千億の夜』でそんなようなセリフがあってカッコよかったので。虚数というのは高校で習う数学的概念で、SFや物理学や数学に詳しい人に聞くとめんどくさい話をしてくれると思いますが、劇中では「虚数空間」は「この宇宙の外」くらいの意味で使ってます。

 兵部は「この世のどこでもない座標」にテレポートして、そこは宇宙の外側なので、我々には想像することも認識することもできない・・つーか無意味な世界である、としておいてください。いやあまり真面目に科学的にどうこうとか言わないように。漫画だから(笑)。

 ワタシの脳内にのみ存在するSF漫画的なんちゃって物理学によると、テレポート自体が空間をねじ曲げるかどうかしてると思うので、たぶんテレポーター同士が相手の念波に干渉する際は、出発座標と出現座標をくっつけるのを邪魔するかどうかしてる。今回、登場人物たちは敵の妨害を避けてその場から消えるため、出現座標なしにテレポートさせたのではないかと考えてます。

 高次元的な概念や演算を三次元の住人である人間は素で認識も理解もすることもできないので、テレポーターはそのあたりを何か超次元的な存在にアクセスして処理して、脳が理解できる範囲で結果のみをコントロールしているのではあるまいか。テレポーターが通常、出発座標と出現座標を脳内でイメージすることで超能力を発動していたのに対し、未来の葵はブーストによって事象の地平線の向こう側、つまり虚数空間への座標設定ができるようになったのだと思われます。そもそも時間を遡るという能力自体がそれによく似たもので、これは薫の思いが加わってできたことです。

 ザ・チルドレンがブーストで時間を超え、その結果がフェザーであると気づいた兵部は、「光速の女神」メインになればそれも可能であると考えました(いつものテキトーな直感で)。言われたフェザーはそれができると確信し、あのような事態になったわけです。現時点では、兵部は「事象の地平線」の向こうにいるわけですから、生物学的には「生きている」とも「死んでいる」とも言えません。そもそも「存在」とかそういうことが意味をなさないのです。

 てことはそこが「虚無」であるとも言い切れないのですが、たぶん兵部は言いたかったのでしょう。カッコイイから(笑)。


今年はまだ初詣に行ってません :週刊少年サンデー12/09号2012/01/26

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 現在発売中の週刊少年サンデー8号には、ワタシが描き下ろしたサイバーワンカードがついてますんで、そちらもよろしくね!


 さて、本編中ではまだきちんと説明してませんが、ギリアムの連れているクローンっ子たち、あれはたぶん男子です。自分の遺伝子をちょっといじって超能力を強化したところ、本人より妹のユーリちゃんに顔立ちが似ちゃって、ギリアムくんは余計にギリギリきている・・・みたいな裏設定。でもそれにあえてユーリっぽい髪型をさせているあたり、かなり倒錯しているように思います。

 そして遺伝子が誰かと同じだろうが、試験管で生まれようが、人間は誰の物でもなく一個の尊厳を持った存在なのですが、彼はそこに気づいていないかあえて無視してます。自分がそういう扱いをされていたからですね。

 <大人に裏切られて壊れちゃった兵部くん>vs<もっと壊れてでんぐりがえっちゃったギリアムくん>の出会編、いよいよ大詰めです。

人として軸がぶれている :週刊少年サンデー12/08号2012/01/18

 いま気がついたけど、顔にヒビ入った状態でワルい顔すると、この人大槻ケンヂに似てね? ・・・あ、それはともかく、謹んで新年のお慶びを申し上げます(遅い)。

 本日18日、最新単行本29巻解禁です。薫ストラップフィギュアつき限定版もございますのでぜひお買い求めください。

   



 今日発売のサンデーでもネタにしたように、「他のキャラのフィギュアが欲しい」とか「二期マダー?」とゆう方はなおさら買おうネ! ワタシとしても企画の最初から「全六種+シークレット!」とか景気のいい話が出来ないのが心苦しくて、「よその漫画はいいなあ」みたいなことを考えてましたけどね、先日若い同業者に会ったら「限定版とかめちゃめちゃ羨ましいです」って言われちゃって、なんか申し訳なかったです。つまり、足りないものにばかり目を向けていたら、目の前の幸福を見失うわけですよ。暗いと不平を言うよりも、すすんで明かりをつけましょう。 不景気なのでややこしい大人の事情がいろいろアレして、いろんなことがアレしているわけなんだけども、読者のみなさんの力でひとつひとつクリアしていただきたい。ワタシも今以上にお客さんを増やすようにがんばります。絶チルはみんなの愛情で育つ作品なのです。

 さて、運気を変えて景気のいい風を呼び込むべく、ひきつづき仕事の合間に引っ越しの準備中です。断捨離は仏教の考え方に基づいてて、余計なものをできるだけ捨てるプロセスを通じて、自分自身と向き合うセラピーの一種でもあるそうです。春には悟りを得て、描くものが全部ミリオンセラーになるとかそんな流れを期待しているのですが、よく考えたらこれって煩悩ですよね? 悟ったら煩悩なくなるんじゃ・・。

 煩悩なくなったらワタシ力出なくね? なんか昔そんなキャラ描いたことあるような。 

 

綺羅星っ!! :週刊少年サンデー12/07号2011/12/30

 2011年の仕事納めです。年末年始とまだちょこちょこと細かい仕事があったり、来年仕事場を引っ越す予定なので念入りに大掃除をしておかなければならなかったりはするものの、まあとりあえずはお疲れ様でした。

 今年は春の震災以降、日本の空気が一変しちゃいました。頭にくることや滅入ることも多いですが、ワタシとしてはそういう時だからこそ極力、いろんな憂さを一時忘れられる情報の発信に努めたいと思っております。ラクガキとかシモネタとかどうでもいい冗談とか


 ところで引っ越しは春頃の予定で、「それでツキが変わって、滞っているいろんなことが良い方に動くといいなあ」と思っております。引っ越しを決めたのに呼応するかのように仕事場も自宅も突然あちこちにガタがきていたりなんかして、どーも新居に呼ばれてるような。
 上京して以来引っ越しは何度かやってますが、これまでは業者にお任せで荷物を全部移動してました。今回は断捨離を敢行し、持ってく物を厳選する方針・・・・なのですが、20年以上ためこんだ大量のガラクタは捨てるのも大仕事です。大量のレーザーディスクなんか重いしかさばるし、今見ると画質もたいしたことないし、プレーヤーの寿命もそう長くないだろうし、困ったもんです。歴代のPCもほとんど捨てずにしまってあって、そんときは「緊急事態に必要になるかも」とか思ってましたけど、数年経てばばもう完全に不要ですよね。そして捨てるとなるとハードディスクの情報を完全に消去しないといけません。何台あるんだこれ。

 しかしこういうの捨てずに持って行くと、多分ツキあんまり変わんないよね。とりあえず特殊ドライバーやデータ消去ソフト、物理破壊用ドリルなどを購入。物を捨てるために物を買わねばならない現代社会の矛盾!


 てなわけで、みなさまにとっても、来年はいい年でありますように。あ、今月の28巻にひきつづき、新年1月発売の29巻にも限定版がありますんで、ストラップフィギュア、ぜひお年玉でゲットしてくださいね!

   


 

ほも絵とわたくし :週刊少年サンデー12/05・6合併号2011/12/23

 次がウチの仕事場的には年内最後の仕事です。つーてもまあなんだかんだで年末年始もバタバタすると思うんですけど。


 さて、本編がネタバレしたくない流れだし、ここんとこ猛烈に忙しかったしで、例によって書くネタがありません。だもんで先日発売の28巻と来月発売予定の29巻のCM、そしてどうでもいい雑談。

   



 忙しいときにラクガキすると「仕事してセンセイ」とか言う方がいて、絵描きの気持ちをわかってねえなあと思います。我々は職業にしちゃうほどお絵かき妄想の大好きな人種で、子供の頃の教科書やノートはラクガキだらけです。ヒマがあればラクガキし、じっとしてなきゃならないときにはラクガキし、集中するためにラクガキし、集中できないときにラクガキし、うつつをぬかしたあげくにこのざまなわけですよ。漫画の基本はラクガキです。そして職人として全力の本気で描いたラクガキが漫画なのです。

 が、生業として毎日毎日ラクガキをしてると、それはそれでつらくなります。それでも原稿という名のラクガキはしなければなりません。机から逃げるわけにはいかないけれど、嫌々描いてもいいラクガキにはならないので、気持ちを無理にでもリフレッシュするため、席に着いたまま休憩時間には息抜きに気を楽にしてラクガキするのです。ラクガキを人に見せて喜んでもらうという創作の原点を確認し、原稿への意欲を復活させる。これは真面目な話、大事なことだと思います。長く仕事してるとどうしても子供の頃のような無邪気な楽しい気持ちが消えてきて、「ただのお仕事」になっちゃいますからね。

 これまでツイッターに上げたラクガキは随時Facebookのアルバムにまとめてますので、お暇なときにご覧ください。

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 ちなみにその内容の傾向から、最近「椎名センセイは腐男子」という評価をいただいておりますが(笑)、それはどうなんでしょうね。どうせならいい反応がいただけた方が嬉しいので、いろいろ描いた結果、自分の中のそういう部分を出すことが多くなってるのは事実ですが。24年組の漫画で育ったワタシは特にそういうものに抵抗を感じませんし、ジャンルとして昔から当たり前にあるものだと思ってますしね。

 ただまあ、何度も言いますが、限界もあります。やはりガチの性的な描写はキツい。いちどウケを狙って男性キャラ同士のキスシーンを描いてみようとして挫折しました。人体をふたつポーズをつけて絡ませるというのは、技術的にはちょっと高度な作業です。楽しければ多少めんどくさい絵でも描こうと思えるのですが、男性同士の絵だと自分の中のなにかが猛烈に萎えてしまったという(笑)。ギャグならやれるんですけどね。ソフトで精神的な描写がワタシの萌えの限度です。

 そーいや先日飲み会でそんな話になって「俺はほもが好きなわけではなく、ほもが好きな女子が好きなのです。そして女子は全員ほもが好きなのです」と言ったところ、その場にいた女子が揃ってほほを染めて目をそらしてニヤニヤしながら小さく頷いてて、ちょっと萌えつつ引いた(笑)。