高橋留美子先生、フランス芸術勲章シュヴァリエ受勲おめでとうございます! 「シュヴァリエ」って騎士のことらしいので、私も「騎士の従者」となったと言えます。サンチョ・パンサ的な・・・『ドン・キホーテ』はスペインの話ですが。今後の打ち合わせでは「卿の意見を聞こう」「御意。AにはAに、BにはBに向いた任務がございます。このオーベルシュタインにお任せください閣下」的な・・・銀英伝の帝国は宇宙なんちゃってドイツですが。
さて、先月犬夜叉と殺生丸のお姫様抱っこを描いた時には、次はその娘たちのお姫様抱っこを描くことになるとは思ってませんでした。二世代でやることで家族のつながりを強調できたので、いい仕事したと思うんですけど・・・今回のエピソード、描きながらあちこちで「なんかめっちゃ絶チル風だな」と思いました。私が描いてるんで手クセでそれっぽくなるのはまあしょうがない。そもそも開始段階で私は(とわちゃんはおそらく、犬の大将・殺生丸から王の資質を受け継いだ<女王の雛>なのだ)と解釈してて、すでにだいぶ『戦国可憐チルドレン』です。いっそもう琥珀あたりが「夜叉姫、解禁!」って叫ぶ感じのアレンジもアリだったか(ナシだろう)。
アニメ原作では「人間とあやかしのすれ違い」「住む世界が違うことの悲劇」が繰り返し描かれます。魔夜中・お華(はる)のエピソードはそのひとつで、殺生丸夫妻と対比させるという脚本の意図は明確ですね。魔夜中夫妻をカットするなり設定をもっと大幅に変更するなりという手もあるものの、異種婚姻譚のバリエーションとして必要だと考え、敵陣営に配置することでメインクエストに直結させたわけです。そこだけに絞った単独エピソードにした方がスッキリ描けるはずなんですが、詰め込んでいかないと完走するまで何十巻も必要になっちゃうし。おはるさんが実はもう死人だというくだりは、アニメ見たあとだとニヤリとしてもらえる・・・・気がしたんですけどどうかなあ。あ、あのなんかゴツくて半裸の息子さんはカットということで。ついでに七星の最期はぜんぜんアニメと違う流れなのに「ビーストモードのとわに袈裟斬りされたってとこだけは完全に原作通りなんだよねwww」って自分で笑ってたんですけど(笑)。
ここ数回かなり『犬夜叉』を擦ってたんで、今回は冥加じいちゃん以外の親世代キャラは登場を控えました。『犬夜叉』に踏み込む部分はとわの妖力についての言及くらいでしょうか。実を言うと1話でとわの髪の赤いメッシュを「強敵と出会って覚醒したしるし」として演出しちゃって、あとでちょっと辻褄合わせに困ってて(;´∀`)。高橋先生によると「現代には妖怪は少ない」ということなので、「妖気」をファンタジーに出てくる「魔素」「マナ」に見立て、「現代は妖気が薄い世界なのだろう」とは考えてたんですけどね。でもとわちゃんは戦国で初めて黒髪・普通人モードになったし、犬夜叉は現代に来ても普通に活動してたよなと。で、なんとか理屈をでっちあげつつ、とわが現代で育ったことの意義も追加。「妖気を大量に呼吸して大量に消費してるから、半妖の肉体は周期的に休息が必要になる」「現代での生活が一種の高地トレーニングになってて、おかげで妖気・妖力のコントロールが鍛えられた」等は、ギリギリ納得できるかなーと。もうほんとギリギリですけど。あくまでもコミカライズ時空での設定ですけど。
ちなみにコミカライズの冥加はかごめを敬称で呼びます。彼女は『夜叉姫』では犬夜叉と結婚して「主家の奥方」になったからです。いや『犬夜叉』ファンの担当に「これ間違いだと思うんで修正しますね」って言われて「ちがいますゥー!! ここはあえてですゥー!!」ってやりとりがあったんで(笑)。そういや某通販サイトのレビューに「神楽が消えるとき、琥珀は現場にいなかったはず」って書かれてるの見つけましたが・・・犬夜叉・かごめ・弥勒・珊瑚・琥珀はちゃんと駆けつけて最期の瞬間を遠巻きに見てますゥー!!(笑)
まあ何度も言うようになるべく間違いはないように頑張ってますけど、しょせん私ごときが長年研究してきたファンに敵うわけないんで、こういうのはたぶんレアケース(笑)。