アニメ第41話 ― 2009/01/18
「インパラヘン」というのは「インドとかパキスタンとかどっかそこらへん」の略で、アジア・南米・中近東のエキゾチックなイメージのごたまぜです。キャラの名前は香辛料から。外国を舞台にして、『007』とか『ゼンダ城の虜』『プリンセス・ブライド』風のロマンス&アクションの物語にしたかったんですけど、全然そうはならなかったという(^^;)。
アニメは<国益を守るための海外派遣>であることを強調した導入で、いい脚色です。<正義>ではなく、オトナの事情<国益>のために働かなければならないという、エスパーたちの「社会に居場所を作るために努力が必要な宿命」が端的に描かれてます。
<東野&ちさとに強制的に相合い傘><10歳の王子のカットバック>などが入らなかったのが惜しいのですが、原作は6話かけてますからね。かなり美しくまとめた完成度の高い構成で、尺もギリギリ。もう一回シナリオを作り直したとしても、これ以上は技術的に難しいと思います。
ゲストキャラは小野さんと生天目さんの好演で、おバカな中にもロマンチックな風情がありますね。ちなみに石像の声は小杉さん。スタッフ・キャストのみなさん、ありがとうございます!
今回薫が使用した「エクステンション」というのは、特殊な接着剤で装着する付け毛です。え、常識ですか。そうですか。白状すると、演出上薫をロン毛にしたくて、ヘアピースのこと調べて初めてそういうものがあることを知りました。髪を何十本かずつ束ねてその先を付け足すんですが、見た目まったくわかりませんよ? その仕上がりのあまりの自然さにカンドーしたので、漫画ではこの後日談として紫穂・葵・ちさとにもつけてみました(笑)。科学の力はすごいなあ。
この話の中にも、皆本がバッドエンドを覆すためのヒントが。「正義や理想ではなく、ただ目の前の大事な人のために全てを捧げることができるのか」という。
正義や理想は必ずしも平和を生みません。大事なのは生身の人間ひとりひとりの、リアルな愛情ではないかなというのが今のワタシの考えです。不二子が言いたいのもそういうことなんだと思うけど、いかんせんあの人は直感と本能の人で、しかも根がエロいのです(^^;)。
ついでに、<勝ち負け><正解・不正解>にこだわる男と、<共感><好き嫌い>を大事にする女性の感覚の違いを忘れるなという、作者自身への戒めも主題として入ってるかも(笑)。