仮面夫婦 :週刊少年サンデー12/30号2012/06/21

 ワタシは過去の作品のキャラクターたちも今の子たちと同じように好きです。なので、ラクガキや色紙でちょくちょく描きます。リクエストいただくのはやはり美神が多く、ワタシもあいつらには特別な思い入れがありますね。

 しかし、描くたびに「顔が変わった」とか言われます。ごもっともでまっとうなご意見だと思うし、そういうものだとも思ってやってきたのですが、たとえば昔人気テレビドラマで活躍してたけど今は引退した俳優さんが、会う人ごとに「懐かしい」「顔が変わりましたね」と言われ続けるのってめんどくさいですよね。相手にとっては初めてでも、こっちはそれを何百回も聞かされるわけで。

 十数年経てば漫画家の絵が変わるのは当たり前のことです。それを言われてもワタシにはどうしようもないし、言われ続けるのはめんどくさい。そして「当時の絵を描いて欲しかったなー」という失望を投げられても、ワタシにはワタシの時間の流れがあり、その中で絵も芸風も変わって、今の仕事があるわけです。それを全部無視する方というのは、遠回しに「まあそう言うな(笑)」つっても、絶チルに興味がない上にまったく悪気がないため、ワタシが何を言っているのかよくわからないようなのです。

 じゃあもう美神は描かないかというと、ワタシはこれからも描きたいと思ったときにはいくらでも描くつもりです。でも当時そのまんまには描けないし、その必要もないと思ってます。仮にずっと連載が続いていたとしても絵柄や芸風はあの程度には変わりますからね。だからそのたびにきっと美神ファンには「うわー絵が変わりましたね!」というしごくごもっともな意見をそのまま遠慮なく言われちゃうと思われますが、その場合、ワタシがちょっとイヤそうな顔をするというしごくもっともな反応を遠慮なくするケースがあることもご了承いただきたい。


 まあでもね、そう言われるキャラクターがいるというのは、それだけでも漫画家としてかなり幸運であると言えます。だから「この子たちも歳とってますからね、ははは」くらいのこと適当に言っときゃいいですかね。
 ただ、さすがに「美神のファンが一生懸命真似して描いたみたいですね」はヒドすぎる喩えなので、そういうのは思っても正直に本人に伝えるのを遠慮してくれるとセンセイ嬉しいな (゚∀゚)

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