作者が大きいおっぱいが好きというより、キャラクターを表すシンボルというか :週刊少年サンデー12/48号2012/10/18

 今週の原稿は描いててなんか妙に気持ちよかったです。あ、名前だけですが「フトルヒ・フトラー総統」と「闘争とわたくし」使いましたよ(笑)。これで総統はデブ決定です。


 不二子ちゃんはファシストがたいへん嫌いです。そもそも権威主義が嫌いなのです。でも内心では強い何かに守られてすがりたいという弱さもあって、自分で自分のそこがあまり好きではありません。
 それが彼女のワガママや癇癪に結びついているわけで、あの子のそういうところがたいへん可愛いなあと思って描いてます。考えてみれば美神もこんな奴だったような気がしますが(笑)、不二子の場合は失ったものへの思いから、自分の次の世代を幸福にしてやりたくなったのでしょう。おそらく美神と不二子は同じひな形から出てきた姉妹キャラで、この二人の女王様系ヒロインの立ち位置の微妙な差が、私の成長というか変化の表れなのかもしれないなあ・・・あの手のヒロインに惹かれるというよりは、自分を投影しているのでしょうね。横島だけが私の自己投影みたいに言われますけど、そうじゃないのよ?

 美神で思い出したけど、執筆当時「美神は何のために金を欲しがるのか」とよく訊かれました。たとえば親の復讐のためにとか、病気の子供の施設のためにとか(笑)そういう動機づけですね。編集者もそれがあった方が彼女のキャラがはっきりすると思ってたみたいです。
 でも彼女は金をゲームの得点のように考えていて、執着しているのはそこにです。金そのものに、ではないと私は解釈してます。だからがめついのにどっかカラっとしたところがあると思うんですよね。
 そもそもあの子は貧しい暮らしをしたことがなくて、金に対しての餓えはなさそうだし。何かに使うから金が欲しいんじゃなくて、金を稼ぐことが面白いから稼いでいるという。実際成功してる実業家とかもそういうものみたいですよ。稼いだ金を惜しんでため込んでちゃ事業になりませんもんね。

 私の場合、遊んで暮らせる大金が手に入ったらたぶんもう働かないと思います。ので、アニメが私の実力とは関係なく大ヒットしてくれることを心から願ってやみません

 ・・・というわけでちょっと強引に持ってきましたが、来週あたりからそろそろ絶チル新アニメの話できると思います。楽しみにしててくださいね。

久しぶりにカラーもらいました :週刊少年サンデー12/47号2012/10/13

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 さて、本編で活躍中のファウストくんはヒトラーの崇拝者で、ナチの思想にどっぷりかぶれてます。しかしこの漫画の世界では「ナチスドイツ」ではなく「ドクイツ第三帝国」。ナチというのはやっぱキャラが立ってて、物語では何かとネタにはしたくなるものの、ヨーロッパでは完全にNG。ヒトラーや鍵十字を漫画で出したら、あっちでは一発で発売禁止という厳しさなのです。

 歴史上存在したこと自体は否定しようがないわけで、漫画家としては歴史物を描く際にはそこんとこの大人の判断が必要になります。まあウチの漫画ではパロディーにしてコミカルにするため、「コメリカ合衆国」というのを出したという流れもあるので、登場する国名は全てがインチキな名前になってます。「エゲレス連合王国」「オフラーンス」「イダリーヤ」という具合。最後のは「ヘタリア」にしたかったけどこれはまた別の大人の事情でやめました(いや事情もなにも)。

 ドクイツ第三帝国総統閣下の名前はどうしても必要になったらテキトーに考えますが、現時点では「フトルヒ・フットラー」が有力候補。いや、すんげえ太ってるとキャラも印象が変わるかもしれないなと思って(笑)。
 ファウストくんが愛読しているであろう総統の著作の名前は、『闘争とわたくし』というのはどうでしょうね。『我が輩の闘争』だとちょっとヒネリが足りないような気がします。『ボクの闘争』にするとラノベっぽくてそれはそれでオカシイかな。いやもういっそ『俺の闘争がこんなに可愛いわけがないっ』とか『あの日見た闘争の名前を我が輩はまだ知らない。』とかどうだろう・・・いやしかしこれだとなんのパロディーだかもうさっぱりわかんないや。

 ていうかよく考えたら若い読者は『わが闘争』とか知らないんだから、出してもそのネタで笑いはとれないな・・・という大人の判断に一票。

まっとうな少年漫画っぽい絵面 :週刊少年サンデー12/46号2012/10/05

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 さて、本編は<超能部隊編2>進行中。インパラヘン王国で起きた小さな事件に、その後の世界と登場人物たちの運命が実は大きく関わっていた・・・とまあそんな話をやってます。これまでちりばめてきた伏線や裏設定の答え合わせも多く盛り込んでて、私はこういう「あらかじめ決められている場面に、なぜ、どうやって至ったのか」という話はかなり好きです。最近の映画やアニメでも流行ってますね。きっかけは『スター・ウォーズ』エピソード1~3ではないかと思うんですけど。

 ところで、私は「最初にインパラヘン王国出したときからこのことは決まっていた」と言った方がいいのか「いやーまさかこんな重要な場所だったとは・・」と言うべきなのか(笑)。

 まあ正直言いますと、当時考えてたのは「象に乗った頭のおかしい外国のイケメン王子がやってきて、チルドレンがエキゾチックな国で日本の国益のために活躍する」というそれだけだったと言えばそれだけだったわけですが、じゃあその後のことはたったいま考えたのかというと、それもちょっとちがうわけです。

 当時すでにお馬鹿なプロットの中にも「歴史と現在は地続きである」とか「すべての世代で若者が未来を創っている」とかいう主題が入ってて、戦中・戦前のどこかで超能部隊があそこに立ち寄ったことは決まってました。だから掘り下げたらこういう話が出てくることは必然であると言えます。

 てことは作者の公式なスタンスをどうするかっていうのは、お客さんがどっちを喜ぶかという一点でどっちにも振れるのですが、これを言っちゃうということは私は「作者がこの世界の神であり全ての運命を完全に握っている」というフリはできないし、たぶんしたくないのでしょうね。

 私もまた絶チルの読者のひとりとして、登場人物や物語の行く末にはドキドキしていたいのですよ。でないと漫画描くのってしんどいじゃないですか(笑)。

 あ、でも今回登場するドクイツ第三帝国のエスパー、こいつは話の都合で急遽考えました(笑)。しかし、動かしてみたら兵部の可能性を暗示する彼の分身であることがわかったので、これもまあ必然的に登場した、折り込み済みのキャラクターであるかもしれませんね。

 

炭水化物語 :週刊少年サンデー12/44号・45号2012/09/26

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 さて、今日はセンセイ、プレッシャーについてお話ししたいと思います。

 関西人ならたいていたこ焼きを家でつくった経験はありますね。各家庭にたこ焼き器がほぼ必ずある・・・それが地元クォリティー。あれは食べるだけでなく、自分たちで作るのが楽しい料理なのです。そこで、ウチで第二回ホームパーティーをやることが決定した際、「じゃあ今回はたこ焼きを焼こう!」ということに。

 ただ、お客様がいらっしゃるということは、失敗は許されません。美味しく作るレシピをググったところ、「氷水を使う」「隠し味に牛乳・砂糖」などなどの情報を得ました。ホットプレートにたこ焼き器をセットして、テーブルを占拠すると邪魔なので、テラスに配備。

 今回は白石涼子さんの入籍発表直後ということで、彼女を囲んでお祝いをしようということになり、浅野真澄さん鷲崎健さんの「アニスパ!」コンビ他、総勢十数名にお越しいただきました。そして談笑する声の多くが、誰とは申せませんがワタシの大好きなアニメのヒロインです。そして・・・・・

おや、たこ焼きがうまく焼けない
(((;゚Д゚)))

「粉か・・? 温度か・・?」
焦るワタシにヒロインたちから
「わーすごーい!どうやって焼くんですかあー!?」
と期待の声援が。しかしいっこうに丸くならないたこ焼き。やめて追い詰めないでそんなキラキラした目でワタシを見ないで誰とは言えないけど超可愛いなんでもは知らないけど知ってることだけ知ってる委員長だニャーの人とかまどマギの赤髪ポニテのコとかネギまのツインテールの子とかうちの絶チルの初音とかそしておキヌちゃんの声がぎゃああああ
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

「私も手伝いますー ♡ 」 
ワタシのただならぬ気配を察知した白石さん(奈良出身)が、主賓であるにもかかわらずさりげなく助け船をだしてくれます。しかし
「・・・・あれ? なんかうまく焼けません」
「お・・・おかしいなあ、調合まちがえちゃったかなあ」
(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル

 たこ焼きはなぜかいつまで経っても固まらず、もんじゃ焼き状態。えーっと、何と言えばいいのかな・・・・大事な試合でガールフレンドに「今日の試合に勝ったら話がある」とか言っといて、仲間には「頼むぞ、エース!」とか言われてマウンドに上がり、一回表から火だるまになった先発投手の気分。そうだ、「死にたい」

 とにかく1回目のたこ焼きは回収して、固まりやすいように卵を追加。しかしやはりなかなか丸くなりません。生地の代わりに白目をむいて固まるワタシをフォローして、女子たちがリリーフ登板。なっかなか固まらない生地に苦戦しつつも、なんとか彼女たちが焼き上げてくれました。

 まー他にも山ほど食べ物はあったので、パーティー自体はなんとか無事に終了したのですが、それにしても納得がいきません。みんな帰った明け方、残った材料でたこ焼きに再挑戦。するとどうでしょう・・・フツーに美味しく焼けるではありませんか。

 どうやらただでさえ火力が低めのホットプレートを秋の涼しい外に置き、さらに調べたレシピに基づいて粉を氷水で溶いたため、温度が上がらなかったということらしいです。誰も居ない家で独りで焼いたたこ焼きは、氷水が常温になったため、表面はカリッっとして中はトロトロ。いやほんと納得いかねえ

失敗する可能性のあるものは、必ず失敗する。
------エドワード・アロイシャス・マーフィーJr.
(アメリカ空軍航空機エンジニア)

 というわけですっげー華やかで賑やかで楽しかったです(本音)。
あと神田朱未さんも僭越ながらお祝いさせていただきました、おめでとうございます♪


 

しあわせを訪ねてワタシは行きたい :週刊少年サンデー12/42・12/43号2012/09/12

アニメ企画進行中です。そして漫画本編執筆作業は二本同時進行中。

今回は仕事終わったあと、アクティブ・レストに努めました。いやもう精神的に限界にきてて、とにかく執筆のとき以外は家に居ちゃダメだなと。

 人間というのは拘束されるストレスに弱く、たとえそれが望んだことであっても長期間続くと、ささいな拘束感にも耐えられなくなる「パニック障害」になる可能性があるのだそうです。で、それを避けるためにも外をウロウロして、「あーやっぱり家が一番ええわー。この机で漫画描くと落ち着くなー」くらいの気持ちで席に着けるといいなと思って。

 でまあ、その目的だとポタリング(自転車散歩)というのはなかなかいいですね。ワタシは愛車のBD-1でプチ輪行も組み合わせたりします。自転車を折りたたんで電車に乗り、ちょっと遠くで降りて、その後ブラブラと散策しながら家を目指します。知らない場所を移動し、限りある体力で無事に帰り着けるかというサスペンス。

 ワタシの場合だいたい5~60キロも走ると脚が回らなくなってケツ痛くなってくるので、家に着くとほっとします。普段は何もないのにそういうときに限ってパンクしたり故障したりなんかして、手持ちの工具で応急修理したりショップを捜したり、水や食料を買いたいときに限ってコンビニがなかなかなかったり、小学生が隣町まで行くと大冒険したみたいに思っちゃうあのカンジがいい年をして楽しめます。大人なので最悪タクシー拾ったりホテルに泊まったりもできますしね。

 運動がだるい時にはドライブしてもいいし、とにかく極力仕事場にこもらないようにします。ガンプラとかも道具一式どっか山の中にでも持ってって作ろうかなと。ガンプラ山ごもり。いやこれマジでよくね? 流行らない? ゲームはどうだろう。アニメも山や海で見ると楽しいんじゃね?(どうしようもなくインドア派)。

 というわけで、しばらくは入稿したら行方不明になります。捜さないでください。