「ザ・チルドレン」キャスト ― 2008/02/28
声優さんには読者のみなさんひとりひとりに希望やイメージがあると思いますが、ワタシはこんなことを考えてましたってことで。一応もろもろの事情から「できれば若手人気声優さんで」という要請があり、ワタシも作品コンセプトからいってそれは全然アリだと思ったので、そこもよろしく。
薫:平野綾さん
人気があることは存じてましたが、予想以上に反響があって驚きました。びっくりしてメールしてくる元担当とか(笑)。いやまー正直、ワタシの頭の中には最初から平野さんが浮かんではいたのですよ。一度聞いたら忘れられない魅力的な声だし、『ハルヒ』『らきすた』の彼女はそらもー素晴らしいし。でも声優さんにはあまり詳しくないので、こちらからは一言もお名前を出さずにいました。ホントです(笑)。
個人的にはなんかね、薫が彼女を呼んだんじゃねえかなと思ってます。というのも薫役はかなり難航しまして、やっと意見を調整してオファーしてもどういうわけかどの方もスケジュールが合わなくて、困った事態になっていたのですよ。そこに最後の最後になって手品のように原作者内心の本命・平野さんのお名前が。ワタシに異論があるわけもなく、監督もスポンサーさんも喜んで、満場一致。
原作者のオーダーは
「原作から想像する一般的なイメージよりもよりもフェミニンな声。『やんちゃなお姫様』『将来は魔族の美しくてカリスマのある女王になる、モンスターの幼いおてんば姫君』と解釈してもらいたい。男っぽい言動のキャラなので、なおさら絶対に男の子っぽくない声を希望。ボーイッシュで下品な言動をしても、常に声で『それがなければ可愛いのに』とアピールできる人。薫はコメディエンヌであると同時に影があり、大人になったら悲劇的ラブストーリーのヒロインとなる複雑なキャラなので、そこをカバーできる演技力も欲しい」
てなカンジ。平野さんなら完璧だと思うのですがいかがでしょう。ちなみに平野さんは『アンパンマン』でコキンちゃんっていう役やってるってご存じですか? 鶴ひろみさん演じるドキンちゃんの妹なのよ(笑)。
皆本:中村悠一さん
サンデーのコメントで「先生が『セクシーに』と言ってた」みたいなことおっしゃってたけど、や、諸君、それは誤解だ(笑)。ワタシは男性キャラをもっと女性が見ても魅力を感じるようにしなければならないと感じてて、でも力不足なのでアニメに助けて欲しかったのですよ。で、「声がセクシーな方」とリクエストして、結果中村さんにお願いしたと。だからその部分に関しては、加々美さんに絵を直してもらって声を中村さんに演じていただけるってだけでもう。けして彼に「色っぽく演じてくれ」とか「ウチの皆本は色っぽいのだ」などと言ったのではないのです(笑)。
最近の若手声優さんはみなさん芸達者だしラジオ番組などでのアドリブトークも面白い方ばかりで、中村さんもその例に違わないのですが、彼は冗談を言っているときにもどこか誠実な人柄が感じられて、そこも「俺の皆本」なカンジです。
オーダーは
「叫んだりツッコんだときにも崩れない魅力的な声」
「知的な優しさと安定したパーソナリティーを感じさせるが、きちんと自制した<男性>もその奥に見える、女性にとっての理想のお兄さん」
葵:白石涼子さん
役の第一条件は「関西弁ネイティブな方」。真面目な話、シナリオの方言監修もしていただきたいから。監督は「関西弁キャラは同じ人に偏るので、そのイメージがまだない人がいい」ということで、白石さんを推しました。ハヤテくん役だったわけですからちょっと意外だったのですが、いろんなサンプルを聞いてみたら白石さんの声はかわいいだけでなく、なんか心の安定を感じさせるものがあって「あ、この人の葵はいいかも!」
白石さんは「男の子を演じたい」とあちこちでおっしゃってて、ハヤテくんに限らず少年役をたくさん演じていらっしゃる方なのですが、一方で美少女キャラも何の違和感もなくこなしてらして、ご本人はというとそっちとイメージが重なる、非常に美しいフェミニンなお嬢さんです。で、そのアンビバレントな印象も葵とビッとつながった気がしたので、ワタシからもぜひお願いすることに。
10歳の葵は女として見られたいという気持ちと、その嫌悪感の間で揺れています。また、非常に高い能力を持っているにもかかわらず、他の二人にかなわないと感じていて、一人では役に立たないと思いこんでいる。それが大人になると知的でタフで、でも女性としても魅力的な、バランスのとれた人間になるのです。要するに成長する余地がはっきり見える子です。凛とした白石さんの声で演じていただけたら、今葵に足りないもの、やがて手に入れるものが感じられると思います。
紫穂:戸松遥さん
紫穂はどす黒い発言をしれっとする女ですが、ワタシはそれは彼女の自己防衛だと解釈してます。心の痛いところを突くとどれほど効果的かを誰よりも知っているので、逆に自分がそうされることを何よりも恐れてます。だからクールでサディスティックな女を演じて感情を隠し、先手を打って身を守ろうとしているのです。実際には中身は人一倍甘えん坊で手のかかる難儀な子で、「愛されキャラ」を演じる勇気がありません。その弱さを薄々感じ取っていて、傷つけられてもけして仕返しをしないであろう皆本には「私は平気」と安心して虚勢を張ることができます。薫のことをものすごく頼りにしてて、自分が守られていると感じる分、葵と二人で彼女を守ろうとしています。
で、キャラの台詞が黒い分、声にはそれを打ち消す可憐さが欲しいと思いました。監督は以前仕事をした戸松さんを高く評価してて、ワタシも彼女が演じると、毒のある台詞の背後にも紫穂の幼さとか弱さがにじみ出て、可愛いキャラになると思うのですよ。あの可憐な声で「魚の苦しみと怨念が口の中に広がって、とってもおいしい」などと言っていただけたらなあと(笑)。それと、あとで知ったんですが、まだ20歳(!)の平野さんよりさらに若い、18歳(!!)というのもポイント高い気がしますね。平野さんや白石さんをちょっと頼る感じが出ると嬉しいなあ。なのに台本のセリフは一番偉そう、みたいな。
薫:平野綾さん
人気があることは存じてましたが、予想以上に反響があって驚きました。びっくりしてメールしてくる元担当とか(笑)。いやまー正直、ワタシの頭の中には最初から平野さんが浮かんではいたのですよ。一度聞いたら忘れられない魅力的な声だし、『ハルヒ』『らきすた』の彼女はそらもー素晴らしいし。でも声優さんにはあまり詳しくないので、こちらからは一言もお名前を出さずにいました。ホントです(笑)。
個人的にはなんかね、薫が彼女を呼んだんじゃねえかなと思ってます。というのも薫役はかなり難航しまして、やっと意見を調整してオファーしてもどういうわけかどの方もスケジュールが合わなくて、困った事態になっていたのですよ。そこに最後の最後になって手品のように原作者内心の本命・平野さんのお名前が。ワタシに異論があるわけもなく、監督もスポンサーさんも喜んで、満場一致。
原作者のオーダーは
「原作から想像する一般的なイメージよりもよりもフェミニンな声。『やんちゃなお姫様』『将来は魔族の美しくてカリスマのある女王になる、モンスターの幼いおてんば姫君』と解釈してもらいたい。男っぽい言動のキャラなので、なおさら絶対に男の子っぽくない声を希望。ボーイッシュで下品な言動をしても、常に声で『それがなければ可愛いのに』とアピールできる人。薫はコメディエンヌであると同時に影があり、大人になったら悲劇的ラブストーリーのヒロインとなる複雑なキャラなので、そこをカバーできる演技力も欲しい」
てなカンジ。平野さんなら完璧だと思うのですがいかがでしょう。ちなみに平野さんは『アンパンマン』でコキンちゃんっていう役やってるってご存じですか? 鶴ひろみさん演じるドキンちゃんの妹なのよ(笑)。
皆本:中村悠一さん
サンデーのコメントで「先生が『セクシーに』と言ってた」みたいなことおっしゃってたけど、や、諸君、それは誤解だ(笑)。ワタシは男性キャラをもっと女性が見ても魅力を感じるようにしなければならないと感じてて、でも力不足なのでアニメに助けて欲しかったのですよ。で、「声がセクシーな方」とリクエストして、結果中村さんにお願いしたと。だからその部分に関しては、加々美さんに絵を直してもらって声を中村さんに演じていただけるってだけでもう。けして彼に「色っぽく演じてくれ」とか「ウチの皆本は色っぽいのだ」などと言ったのではないのです(笑)。
最近の若手声優さんはみなさん芸達者だしラジオ番組などでのアドリブトークも面白い方ばかりで、中村さんもその例に違わないのですが、彼は冗談を言っているときにもどこか誠実な人柄が感じられて、そこも「俺の皆本」なカンジです。
オーダーは
「叫んだりツッコんだときにも崩れない魅力的な声」
「知的な優しさと安定したパーソナリティーを感じさせるが、きちんと自制した<男性>もその奥に見える、女性にとっての理想のお兄さん」
葵:白石涼子さん
役の第一条件は「関西弁ネイティブな方」。真面目な話、シナリオの方言監修もしていただきたいから。監督は「関西弁キャラは同じ人に偏るので、そのイメージがまだない人がいい」ということで、白石さんを推しました。ハヤテくん役だったわけですからちょっと意外だったのですが、いろんなサンプルを聞いてみたら白石さんの声はかわいいだけでなく、なんか心の安定を感じさせるものがあって「あ、この人の葵はいいかも!」
白石さんは「男の子を演じたい」とあちこちでおっしゃってて、ハヤテくんに限らず少年役をたくさん演じていらっしゃる方なのですが、一方で美少女キャラも何の違和感もなくこなしてらして、ご本人はというとそっちとイメージが重なる、非常に美しいフェミニンなお嬢さんです。で、そのアンビバレントな印象も葵とビッとつながった気がしたので、ワタシからもぜひお願いすることに。
10歳の葵は女として見られたいという気持ちと、その嫌悪感の間で揺れています。また、非常に高い能力を持っているにもかかわらず、他の二人にかなわないと感じていて、一人では役に立たないと思いこんでいる。それが大人になると知的でタフで、でも女性としても魅力的な、バランスのとれた人間になるのです。要するに成長する余地がはっきり見える子です。凛とした白石さんの声で演じていただけたら、今葵に足りないもの、やがて手に入れるものが感じられると思います。
紫穂:戸松遥さん
紫穂はどす黒い発言をしれっとする女ですが、ワタシはそれは彼女の自己防衛だと解釈してます。心の痛いところを突くとどれほど効果的かを誰よりも知っているので、逆に自分がそうされることを何よりも恐れてます。だからクールでサディスティックな女を演じて感情を隠し、先手を打って身を守ろうとしているのです。実際には中身は人一倍甘えん坊で手のかかる難儀な子で、「愛されキャラ」を演じる勇気がありません。その弱さを薄々感じ取っていて、傷つけられてもけして仕返しをしないであろう皆本には「私は平気」と安心して虚勢を張ることができます。薫のことをものすごく頼りにしてて、自分が守られていると感じる分、葵と二人で彼女を守ろうとしています。
で、キャラの台詞が黒い分、声にはそれを打ち消す可憐さが欲しいと思いました。監督は以前仕事をした戸松さんを高く評価してて、ワタシも彼女が演じると、毒のある台詞の背後にも紫穂の幼さとか弱さがにじみ出て、可愛いキャラになると思うのですよ。あの可憐な声で「魚の苦しみと怨念が口の中に広がって、とってもおいしい」などと言っていただけたらなあと(笑)。それと、あとで知ったんですが、まだ20歳(!)の平野さんよりさらに若い、18歳(!!)というのもポイント高い気がしますね。平野さんや白石さんをちょっと頼る感じが出ると嬉しいなあ。なのに台本のセリフは一番偉そう、みたいな。