生存戦略とわたくし :週刊少年サンデー13/11号2013/02/08

『THE UNLIMITED 兵部京介』
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 悠理ちゃんは一時退場。不二子ちゃんにもちょっと休んでもらいます。迫っている<黒い幽霊>との対決への布石なのですが、なかなかデリケートな局面なので、一手ずつ考え込んで苦労しながら進めてます。



 さて、アニメが好評放送中で、私としては「粘ってればやっぱりいいことはあるなあ」と思います。

 私は恵まれてると思うし、自分の幸運には感謝してます。しかしそうでない場合も、幸運が来ないことを呪っちゃいけません。ほどほどのところで幸運がひょいっと来てくれることを甘っちょろく期待してたからそうなっちゃうんで、「あとは本当に運を天に任せることしか思いつかない。自分にやれることは全部やったし、覚悟の上なので爆死しても誰も恨まない」と思えるとこまで、自分を納得させてないからではないでしょいうか。

 絶チルは「美少女三人を主人公にして、手堅く当てに行ったのだろう」などと言われることがありますが(笑)、まったくちがいます。編集部からはあらゆる点で猛反対され、私も売れるとは全く思っていなかったけど、ただあのときは「今自分はこれを描かなければならない」という捨て身の体勢でした。
 世の中の価値観がバラバラになって何をして良いのかよくわからない中、「身近な子供を伸ばすこと、守ることだけは絶対に普遍の正義」という主張を自分の中に発見して、さらにそこに自分自身の不器用さへの肯定を込めるというのは、当時の私には商売抜きで全てを賭けてしがみつく価値のある仕事だったのです。

 でまあ、長くやることなど考えずにやりたいことを全力でぶっ込んだのが結果的には良かったのか、すったもんだはあったものの、今日の運びとなっております。いろんな事情から最初週刊連載は断ろうとしたのですが、高橋留美子先生に「チャンスがあるなら無理してでも週刊連載しなさい。大勢の読者にたくさんのエピソードを見てもらえる方が作品は幸せです」と背中を押していただきました。その後小学館の営業さんや書店の方たちが早くから評価してくださって、危なっかしいよちよち歩きだった絶チルをここまで育ててくれて、私が爆死してもいいと思うとこまで入れ込んだものに深く共感してくれた松田プロデューサーがいてくれたことも、すごい幸運だったと思います。みなさま本当にありがとうございます。

 そして今回のアニメ終わったあとも生存のための死闘は続くので、高橋先生には今もことあるごとに「将来的に僕は食えなくなるかもなので、<高橋留美子美術館>を建てたときには館長に雇ってください。ちゃんと真面目にいい仕事しますから!」とお願いしてます。最終的には寄らば大樹・・・それが私の生存戦略

 オチがちょっとアレなのであまり前向きな話になりませんでした、すいません



 ところで今夜はニコ生で前作アニメ「絶対可憐チルドレン」第1話~第5話を配信。不肖私も一緒に参加して、仕事しながらツイッター実況しようと思います。ぜひみなさんも参加してくださいね!

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